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『あー、なるほど…うん。教授に話しておくけど、返事はどうやって返したらいい?明日は授業出られるの?』
若干の鼻声をひきずりつつ、話を元にもどしたら、ソクジン君はまたスマホ見て難しい顔。
JN「…」
『無理なのね。わかった…』
私はとりあえずそこらに積んであった紙束の上で見付けたメモ用紙に、アシスタント用のメールアドレス書いて、
『提出できそうになったらここに直接、ファイルでもPDFでも送ってくれていいから。それと、授業に出られそうな日もわかったら教えてもらえると…』
って渡そうと振り返ったら、ソクジン君はなにやら麗しいけどちょっと表現し難い顔で私をじっと見つめた後に、
「カトクじゃダメなんですか?」
て言うから、心の底からぎょっとした。
『ソクジン君、ダメだよ君!』
悲鳴にも似た声がでちゃった。
JN「え?」
『これから、アイドルになるんだよね?不用意に人のカトクを聞いたり、教えたら危ないよ!お馬鹿さん!』
私は、僕のIDこれって差し出してたスマホをその大きな手ごと掴んで、彼の胸元に押し付けた。
それは普段距離を取りたがる私にしてはめちゃくちゃバグった距離だったからか、ソクジン君は驚きすぎて唇がつっと、とんがったすっとんきょうな顔になってた。
やだ、かわいい。
私は思わず、ふふっと笑ってしまって、
『忙しくてもメールを送るくらい、できないことはないでしょ?なんなら私の方も授業のレジュメメールするし…これ、それ用のアドレスだから』
そう言って、スマホの上にアドレスのメモ書きをそっと重ねる。
JN「…僕は、A先輩の個人用のアドレス欲しい」
『…は?』
今、なんて。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年4月7日 11時