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私の飲み方、て言ってインスタントコーヒーにお湯少なめで砂糖多めで氷多めの急冷アイスコーヒー作ってあげたら、ちょっと顔がぱあって輝くような驚き方で喜んでくれた。

単純なんだけど、自分の好きなもの肯定してくれると嬉しいもんで。


普段警戒心200にしてるとこ、多分ぎゅーっと50くらいまで落ちてたと思う。



それから少し雑談してたけど、

『そう言えば、どうしてゼミ室まで来たの?何か教授にご用だった?』

切り出したら、ソクジン君は、あって顔して

JN「そうでした。あのA先輩、今度のレポート、ちょっと締切伸ばせられたらしますか?」

『うん?どしたの?』

その手の話題はよくあるやつだから、私は机の上の書類をちょっとだけ寄せて、コーヒーカップ置く場所作ってそっと載せて、ソクジン君に足ごと向き直った。

ソクジン君は言いにくそうに、スマホを取り出してスケジュール確認し始めて、やっぱり無理だなって呟くと

JN「あの、私事で恐縮なんですが…僕たちのグループ、デビュー日決まって…ちょっとそれ関係で今度の提出日前後、大学に来れるかわからなくて」

って、申し訳無さそうに、でも少し誇らしげに言うから、私は目をぱちくりさせた。



そうだった。

あんまり真面目に大学生活送るから、ちょっと忘れかけてたけど、この子アイドルの卵だったんだっけ。


『そうなんだ!良かったね!おめでとう〜!!』


一瞬ぽかんとしちゃったけど、次の瞬間ちょっと自分でもびっくりするくらい嬉しくなって、立ち上がってソクジン君に握手を求めてしまった。

だって、すごいじゃない。

ソクジン君が練習生だって話聞いて、私なりに練習生がどれだけ厳しくカリキュラムをこなすのか、ちょっと調べたもんだから。


そういう苦労あっての、ようやくのデビューなんて、ちょっとお姉さん涙腺緩んじゃいますよ。


『がんばったね』


慌てて立ち上がって、私の握手に応えてくれたソクジン君が、私の鼻声と涙目見て、自分も涙目なってくの見て。

でもすぐに、くっとその形の完璧な顎を上げて堪えるように天井向いて鼻啜るもんだから、私も泣いたら駄目だなって、一緒になって我慢した。

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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年4月7日 11時

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