美味しい私と暴食の君 -昼の部-【JK】【JN】 (ページ16)

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鍵のかかったゼミ室の入り口で、両手に山ほど資料と提出を受けたレポート持って、四苦八苦してたら、ひょいと手が伸びてその上半分をわさっと持って行ってくれた人が居た。

神よ！と思って振り返って、にっこりお礼を…

JN「そっちも載せてください。鍵出すんでしょ？」

『ソクジン君、ありがとう…』

にっこりお礼を…しそびれた。

私、懐かれたとは言えソクジン君、緊張しちゃうんだよね。

なんかこの子、態度柔和な割に、眼光鋭すぎない？

ゼミ生用の机が6台と、奥に教授の大きな木製の机があるはずなんだけど、所狭しと載せられた資料の山でテーブルが有るのかすら認識不可能な、ゼミ室。

新しく入る時には卒業生が整理していくから、一瞬綺麗になるんです。

でも半年もすぎるともうだめ。

みんななりふりかまってられなくなるもんだから、何ていうか

JN「ゴミ屋敷…」

『歯に衣着せてもいいですよぉ！』

あまりに屈託なく言うから、思わず笑ってしまったけど、私がケラケラ笑うの見たソクジン君は、驚いた顔して固まった。

JN「A先輩、ちゃんと笑えるんですね」

『レポート受け取りとカスタマーサポート用アンドロイドかと思ってた？』

無言になるから、思ってたな、って苦笑した。

せっかくだからコーヒーでも飲んでって、埋もれた机から椅子を引き出したら、そんなところにあると思ってなかったのかぎょっとするからまた笑った。

…ゼミ室は私のテリトリーだから、ちょっと気が緩んでた。

そもそも、二人っきりってことに、気付かないのが駄目だった。