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それから私は、彼を徹底的に避けた…
つもりだったけど、アシスタントなんかしてたら避けようの無いことだらけですね。
ええ。
わからないことがあれば、教授より先にアシスタントを捕まえろ、って最初に教わることですし。
ソクジン君は大学外の活動が忙しくて、学科に出席がマメではなかったこともあって、私は必然的によく捕まって話をする方だったと思う。
そりゃ、ちょっとは仲良くなりますよね。
雑談ができる感じには。
廊下で見かけたら挨拶する程度には。
学食で一人食べてたら
JN「A先輩、僕ご一緒してもいいですか」
って、ニコニコ寄ってくるくらいには。
懐かれた…
眼の前でカレーをもりもり食べるイケメン見てると、なぜだか食欲無くなってくる。
だって私の胃袋にまで収まってるんじゃないかって量とスピードなんだもん。
私が全然箸を付けないコロッケをじっと見つめてるもんだから、私はそっとそっちのお皿に入れてあげたよ。
JN「なんかすみません!美味しいですよね!この大学の御飯!」
頭に音符が見えるような嬉しそうな顔で、二口で消えていったコロッケ。
次に学食行ったら、先に座ってたソクジン君が私を見た瞬間立ち上がって、ここどうぞって指さしてきた。
餌付けてしまった…
まあでも、例の「いい匂い」に関しては、最初の時しか言ってこなかったから、あの日のレポートの束の中に、誰か香水ぶりまいた人でも居たのかもしれないし。
そんなら実害ゼロだから、私はただ、この美しい人の美しい顔を許される限りは眺めていようかなって、そんな呑気な気分になってった。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年4月7日 11時