【銀魂】おはよう、愛しき人よ

番外篇10(後篇) ページ43

『ほれ、高杉

こんなに彼女が説得しとるんじゃ』

ちっとは考えろ


『は？』

『彼女……？』


俺とヅラは、顔を見合わせては首を傾げた


『彼女ってなんだよ』

『え！高杉

お前の彼女じゃないんか！』

驚いたようにヅラを指さす


『ちげーよ、コイツ男だぞ』

よく見ろ、と坂本の髪を掴んでヅラに寄せる

坂本はサングラスを持ち上げて、何度も瞬きしながらヅラをガン見した


『俺は男だ』

『ほえー、そうかいそうかい

こいつは失礼』


よく見たら男ぜよ、と豪快に笑い

ヅラの背中を叩いた




『坂本さんも、間違えたんですか？』

『あァ、お前が間違えたときアイツは笑ってたが

自分も同じことをしたんだ』


Aはクスクス笑い、話の続きを強請った



『坂本も、その二年くれェ後に起業したんだ』

アイツにぴったしの天職だよ


『物を買って、売って…』

人と関わる仕事が、アイツには合っている

でもまァ……



『高杉！金貸してくれ！

ワシの会社に投資するぜよ！』


始めた頃は赤字ばっかで、ヅラに叱責されていたが

俺は友人でなくても、投資していただろう


会社もそうだが、人となりが気に入ったのかもしれない

コイツになら、惜しまないと



『ヅラは、慎重だから大学を卒業してから起業した』

この会社をだぞ、とテーブルの上のんまい棒を弄る


『アイツらしいよ』

キャラクターがバカみたいなところがな、とAに渡した

彼女はそれを受け取り、袋を開ける


『美味しいです』

このチョコレート味、と言って2本目を手にしていた


『ヅラが聞いたら喜ぶな』

『今度会う機会があったら…』


一旦、静寂になる

残りのコーヒーを飲み干し、俺は再び口を開いた


『結婚するっつった時は、ヅラは驚いて

……いや、怒られたな』

早すぎるってよ


『坂本さんは？』

『坂本は笑ってた』

バカみたいにな、と思い出しては釣られちまう


『……だが、今思えば

あの二人が一番に祝ってくれたかもな』

『大切な友人ですね』


おかわりはいるか、と聞かれ

首を横に振る


『晋助さん、また家に呼んでくださいよ』

話がしたいです、と俺にんまい棒を渡した

それを受け取って、封を開く



『俺が呼んだ訳じゃねーけどな』





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新作です。頑張ります。

【銀魂】ワン・ツー・ジャンプ！！
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