運命のヒト (ページ8)

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story 8 ページ8

臣))お待たせ

･

そういえば、そう言う臣こそ彼女いたりしないのだろうか。

私と居て、果たしていいのだろうか。

･

臣))…おい？
あやな))はい？
臣))何ボーッとしてんの？
あやな))…別に

こうして私と居てくれる辺り、臣なりの優しさなのかな。

･

臣))はい、これ
あやな))本当にいいの？
臣))いや、貰ってくんないと俺着れないし

ん。と可愛い袋に入ったワンピースを渡された。

臣))今度、店来る時はそれ着て来いよ
あやな))分かった

ありがと、と笑顔で受け取ると、何だか照れくさそうな顔をした臣が頷いてくれた。

･

あやな))今度お返しするね
臣))焼き肉でいい
あやな))…安い所でいい？
臣))無理。

1番高い所連れてけ。だって。

そんな所、知らないの分かってるくせに。

臣))その時は敬浩さんも、連れてこうか
あやな))…え、本当？
臣))…何だよ

ジト、と見つめてくる臣に、笑顔が引きつった。

あやな))…何でもないです
臣))敬浩さんて言っただけでそんな笑顔出来んの？

幸せ者だな、とチクリ。

･

あやな))でも敬浩さんも行くなら焼き肉ヤダ
臣))はぁ？
あやな))ガッツリ系だと思われたら困る

それでドン引きされても困る。

臣))アホか。
あやな))あ、アホって…

そんな直球で言わなくても…。

･

臣))それ言うならもっと色んな物着こなせてからにしろよ
あやな))…スミマセン
臣))あと、

そこで話を一旦止めた臣が、グイッと私に近づいてきた。

私の口元を、ジーッと見つめてる。

あやな))な、何？
臣))リップ。もっと色ついてる方が似合うと思う

そう言って、そっと私の唇を触った。

あやな))…っ、
臣))ま、お前にはまだ早いかな
あやな))痛っ

ピコん、とデコピンされて、思わず大きな声が出た。

おでこを抑えながら、少し熱くなってきた頬に違和感を感じる。

･
臣))帰ろっか

笑顔で振り向いた彼が、何だかいつもより大人びて見えた。