運命のヒト (ページ7)

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その壱。

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｢オシャレに気を使うべし。｣

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臣))それ、ダサい
あやな)) だ、ダサ…

一応これでも気にしてるんだけど。

見るなり否定された、お気に入りのズボン。

臣)) 時代遅れてる
あやな)) そんなビシッと言わなくても…

私の中ではオシャレだと思ってたのに。

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臣))スカートとか履かないの？
あやな)) だって似合わないし…

昔、まだ本当に小さかった頃はスカートばっかり履いてたけど。

ある日自分のスカート姿を見た時に、あまりにも似合わなさすぎてげんなりしたっけな。

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それ以来、スカートなんかこれっぽっちも履かなくなった。

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臣))それは自分に似合うスカート履いてなかったからでしょ
あやな))そんなの分かんないもん

自分にどんなものが合うかなんて、直感だし。

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臣))｢似合わない｣って決めつけてたら、似合わなくなんだよ

そう言って、レディース向けのお店に躊躇なく入って行った臣。

慌てて追いかけると、突然立ち止まった臣にぶつかりそうになった。

あやな))危なっ…

背中にダイブしそうになったけど、何とか持ち堪えた。

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あやな))急に立ち止まら…
臣))これ

クルッと私の方に向き直った臣が持ってたのは、黒めのロングスカート。

臣))あやななら、こっちかな

そう言って、もう一つ手にしてたのはロングワンピ。

臣))これにデニムのジャケット合わせたら可愛いよ
あやな))…はぁ

そんな物、私は持ち合わせてないんですけど。

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臣))…よくそれで彼氏いたな
あやな))放っといてよ！

だから振られたんじゃねーの、とケタケタ笑ってる臣。

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あやな))…うっさいな
臣))買ってやるよ、これ

この色でいい？とレジへと歩き出す臣。

いや、ちょっと待って、と慌てて臣を引き止めた。

あやな)) いいよ、私買う
臣))言い出したのは俺だから
あやな))でも、
臣))いいから、こういうのは男に任せとけって

ちょっと待ってて、と、さっさとレジへ向かっていった臣。

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…結構いい値段してたのに。

店員さんと仲良さげに話しながら精算してる臣を見つめて思った。

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いいのだろうか。

ただの同級生、というだけの関係なのに。

こんな甘えちゃっても。

彼氏とかじゃ、ないのに。