運命のヒト (ページ25)

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あやな))も、もちろん、です
敬))…良かった

気づけば、もう家の前。

お互いに見合うようにすると、突然頭にポン、と手が置かれた。

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敬))また行こうね
あやな))は、はい
敬))じゃ、おやすみ

帰ったら連絡するね、と私の頭を撫でたかと思うと、彼は元来た道を引き返して行く。

あやな))…おやすみなさい

頭を撫でられた事にびっくりして、言いそびれたその言葉。

段々と小さくなる背中に手を振った後、敬浩さんに撫でられた箇所に触れた。

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何だか嬉しくて、くすぐったい。

自然と零れる笑みを隠せずに、私は家の中に入った。

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ー『この前の写真、送るね！』

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その文の後に送られてきた、この前撮った写真。

保存ボタンを押して、どう返信しようかと悩む。

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？))何ニヤニヤしてんだよ

そんな私のスマホを覗き込む人が見えて、慌ててスマホを隠した。

あやな))お、臣っ！
臣))何だよ
あやな))か、勝手に人の携帯覗かないでよ！
臣))お前が呼び出したんだろが

そう言って私の前に座った臣を見て、そういやカフェに呼び出した事を今思い出した。

そしてここがカフェだという事も。

予め注文していたコーヒーを飲む臣を見つめる。

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臣))で？なんだよ話って

変な顔してなかったかな、と辺りを見回してると、あくまでも冷静な臣がそう言った。

私はカフェオレを一口飲んでから、臣を見た。

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あやな))私、もっと可愛くなりたい
臣))…
あやな))あの人に…見合う人になりたいの

頑張って背伸びしてみてるつもりだけど、まだまだだと思う。

敬浩さんの周りには、可愛い女性が沢山居て。

それに勝てるだなんて思ってないけど、せめてその足元だけにでも及べるようになりたい。

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臣))それで？
あやな))…手伝ってほしい、です
臣))無理。

かなり勇気を出して言ったつもりだった。

なのに、今一瞬にして否定された気がした。

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あやな))何で…
臣))俺が敬浩さんなら、今こうして俺と話してるの嫌だと思うよ

そう言って、私と視線を合わせずに淡々と話していく。

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臣))じゃあ、そういう事だから

立ち上がった臣に、何も言えなくなった。

何も話さない私に何も思わない彼は、さっさと歩き出していって、カフェを後にしてしまった。