運命のヒト (ページ21)

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敬))はい

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休憩時間。

ボーッとしてると、横から手渡されたコーヒー。

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臣))…ありがとうございます

ありがたくコーヒーを受け取ると、｢よっこらしょ｣と俺の横に座ってコーヒーを飲む敬浩さん。

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それに習って俺もコーヒーを口に運ぶと、敬浩さんが口を開いた。

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敬))何かあった？あやなちゃんと
臣))…いえ
敬))何か怒ってるように見えたけど

そう言って俺を見る敬浩さん。

首を傾げる彼なんか他所に、思い出されるのは先程の光景。

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臣))…何で、

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何であいつは、あんなにも怒っていたのだろう。

あいつがムキになるような事、何も言っていないような気がするのに。

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敬))ねぇ、臣ちゃん

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ぼんやり外を見つめてると、また名前を呼ばれた。

特に返事もせずに外を見つめ続けてると、敬浩さんの困った顔が尻目に見えた。

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敬))臣ちゃんはさ、何であやなちゃんと連絡取ってるの？
臣))…それはどういう…？
敬))2人って、付き合ってないんだよね？

敬浩さんのその言葉に、俺は漸く視線を外から敬浩さんへと戻した。

見れば、彼は真剣な顔でこちらを見ている。

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…確かに俺達は付き合っていない。

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でも、いくら男女とは言えど、付き合っていなくとも、連絡くらいは誰だって取り合うだろう。

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敬))最初はさ、臣ちゃんが楽しそうに話してるから｢どんな子なんだろう？｣と思って彼女に話しかけた
臣))…はい
敬))でも、会話を重ねる度に、彼女の魅力を知れるような気がした
臣))…はい

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そこまで言って、敬浩さんは一度話すのをやめた。

俺を見て、次の言葉を中々言おうとしない。

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…何となく、分かる。

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いや、確実に分かる。

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臣))…好き、なんですか
敬))…結構、本気だよ

まっすぐに俺を見る敬浩さんに、思わず目を逸らした。

敬))俺、遠慮しないからね
臣))何がですか
敬))とぼけちゃって

そう言って笑った敬浩さんはおもむろに立ち上がると、俺を見下ろした。

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敬))貰ってっちゃうよ、俺。

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じゃあね～と言って敬浩さんは去っていく。

その場に一人残された俺は、貰ったコーヒーを飲み干すと、ゴミ箱へ投げ捨てた。