運命のヒト (ページ3)

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story 3 ページ3

臣))どうなの？
あやな))？
臣))彼氏。居るでしょ？

仲良くしてんの？と軽く首を傾げた臣。

･

あやな))…えと、
臣))あれ？もしかして別れた？

私の顔を覗き込んだ臣に、思わず仰け反った。

あやな))別れて、ないよ

…別れましたけど。

久しぶりに会ったのに、そんな悲しい話出来ないでしょ。

･

あやな))ごめん、やっぱり邪魔してるよね
臣))え？いや…
あやな))また来るね

こんな洒落た服買うの、無いと思うけど。

逃げるかのようにして扉に手をかけた時。

･

臣))待って、

ちょっと待ってろ、と慌てて店の奥へ消えてった臣。

すぐに私の元に帰ってきた臣から渡されたのは、小さな紙切れ。

あやな))…これ
臣))俺の連絡先。

何かあったらここに連絡して。と少し息を切らしてそう言われた。

臣))じゃ、いい加減仕事戻るわ
あやな))あ、うん…また…

またな、と軽く手を挙げて仕事に戻って行った臣。

そんな臣を見てから、私は店の外に出た。

･

･

･

ー｢ちょっと待って、お姉さん｣

･

あやな))…は、？

外に出てすぐ、店の中から声がした。

パシッと掴まれた腕は、完全に男の人に掴まれてるんだと思った。

ゆっくり振り返ると、黒色のハットを被った男の人がやっぱり私の腕を掴んでた。

･

あやな))…あの、
？))雨、降ってるから

これ持ってって、と渡されたのは、傘。

あやな))…いや、でも
？))臣ちゃんに返してくれたらいいから
あやな))臣…ちゃん

そんな呼び方してる人初めて聞いたんだけど…。

･

？))あっ！今怪しい人だと思ってる？
あやな))そんな事も…ありますけど
？))…正直者だね、君。

怪しいというよりかは…何で私に傘を渡してくれてるのかが不思議なだけ。

？))初めまして。臣ちゃんの先輩の田﨑敬浩です
あやな))…先輩、さん
敬))さっきの｢カッコイイ先輩｣って俺だから

そう言って、屈託なく笑う顔。

敬))あ、ナルシとかそんなんじゃないから！
あやな))…冗談通じる方なんで大丈夫です…
敬))…冗談でもないんだけど

･

臣ちゃんの友達って皆冷たいよね、俺に。と今度はしょんぼりした顔。

何だか、コロコロ表情の変わる人だなぁ。と思った。

あやな))敬浩さんですね、
敬))はい…そうです
あやな))今度は洋服買いに来ますね
敬))え、また来てくれる？

はい。と返事をすれば、嬉しそうに笑った敬浩さん。

そんな敬浩さんに別れを告げて、傘をさして歩き出した。