運命のヒト (ページ17)

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敬))何飲む？

･

ニッコリと微笑んで私にメニューを渡してくれた敬浩さん。

敬))好きなお酒とかあるの？
あやな))うーん…

好きなお酒…

何だろ、結構度数が強いお酒も好きなんだけど。

…ロックとか

あやな))ロック…
敬))へ？ロック…？

私の言葉に、びっくりした様子の敬浩さんの顔。

あれ、何か変なこと言いましたか？

･

臣))可愛いらしい色のカクテル、お願いします
あやな))あ…

前で待ってたマスターに、臣はそう告げた。

カクテル、ね。

ロックとか女っ気無い？

･

ー｢女は弱い方がいい｣

･

前に臣がそんな事を言ってたっけ。

･

敬))びっくりしたー。

初っ端から飛ばすなーとか思ったじゃん。と笑ってる敬浩さん。

臣))こいつ、酒弱いですから
敬))だよね、ロックとかウイスキー飲み出すのかと思った

そんな訳ないよねと笑ってる。

…私はそのつもりだったんですけど。

･

敬))お、きたきた

1人で悶々と考えてると、目の前に置かれたピンク色のカクテル。

臣と敬浩さんはハイボール。

敬))じゃ、今日もお疲れ様です

敬浩さんのその一言で乾杯されて、まずは一口。

あやな))…美味しい

ほのかに甘くて、ほろ苦い味。

･

臣))…あ、

もう一口、と思った時、臣の携帯が音を出した。

どうやら電話らしい。

臣))ちょっとすいません

もしもし？と携帯を耳に当てて、臣は店の外へ向かって行った。

･

…二人の空間。

今、敬浩さんと二人。

少しだけ流れた沈黙を破ったのは、

･

敬))あやなちゃんてさ、

敬浩さんだった。

･

敬))本当に臣ちゃんと付き合ってないの？
あやな))え、全く。
敬))そういう関係になりかけた事とか無いの？
あやな))…全く

むしろ、卒業してから殆ど会ってなかったし。

今になって、こうしてまた会うようになったけど。

･

敬))好き…とかないの？
あやな))私が？

臣の事？

好きになるって？

あやな))まぁ…無いですね
敬))そうなんだ

何か意外～とハイボールを飲んだ敬浩さん。

･

あやな))臣って、この仕事長いんですか？
敬))そうだねー。もう5年くらい？
あやな))え、そんなに！？

てことは、学校卒業してからずっとあそこで働いてるんだ。

あやな))あ、あの臣って彼女とか…
敬))さぁ？

居たりするんですか？と聞こうとして、それを察した敬浩さんが即答した。

敬浩さんが知らないって事は、居ないのか。