運命のヒト (ページ16)

今日:8 hit、昨日:11 hit、合計:23,248 hit

story 16 ページ16

･

敬))あやなちゃん！

声がした気がして振り向けば、こちらに駆けてくる敬浩さんの姿が見えた。

･

敬))待った？
あやな))いえ！大丈夫です

待った？なんて、カップルみたい。

…なんて1人で思ってニヤけそうになった。

敬))女の子待たせるとかダメだね

普通男が待ってないとダメだよね、と苦笑いする敬浩さん。

･
あやな))大丈夫です
臣))俺が先に来てますから

私の頭の上に手を置いて敬浩さんと話し出す臣。

…重い。

あやな))重いんですけど
臣))気の所為だと思うけど

なんて言ってる臣の手を叩いて落とす。

･

さっきだって、何着ていこうかなとか色々考えてたのに。

｢遅い｣だの、｢敬浩さん待たせる気か｣だの、とにかく五月蝿いこの男。

オシャレくらいさせなさいよ！

･

あやな))本当、細かいんだから
臣))あ？
あやな))何も言ってません！

私を睨む臣に、ベーッと舌を出す。

敬))ま、まぁ落ち着こうよ

ね、二人共。と何故か宥めに入った敬浩さん。

敬))3人揃ったし、中入ろ？
臣))さっさと入りましょー、

こんな奴置いといて。と私を見下ろした臣。

…本当にムカつくんですけど。

･
敬))もう、臣ちゃん
臣))俺は悪い事言ってませんから
敬))仲良くしよーよー

バチバチと火花が散ってる私と臣の間で、苦笑いが止まらない敬浩さん。

敬))あやなちゃんも。ね？
あやな))…はい、

私は悪い事したと思ってませんからね。

･

こんな嫌味男、例え世界に私とこいつしか居なくなっても好きになんかならないんだから。

私の前を歩く臣の背中に睨みを効かせながら、私達は中へと入った。