運命のヒト (ページ2)

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何だか、雲行きが怪しい。

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とりあえず近くの店にでも入ろうかと辺りを見回した時。

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それはまるでスローモーションみたいな。

ほんの一瞬だけ、ゆっくりと流れた時の中に、見た事のある姿が見えた。

あやな)) …あ、

近くにあったお店の中に吸い込まれて行ったその人に、何かを感じた気がして。

ポツリ、と降り出した雨に逃げるかのようにそのお店へ向かった。

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お洒落なお店の中に入れば、懐かしい背中が見えた。

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あやな)) 臣っ！

その人の名を呼べば、少し驚いた顔をしたまま振り向いた。

臣))…えっ
あやな))やっぱり臣だ

懐かしい、学生だった時の同級生。

あの時より背が伸びて、幾分もかっこよくなってる気がした。

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臣))…あやな？

びっくりした顔で私の名を呼んだ臣。

久しぶりに聞いた声に、これまた懐かしさが込み上げた。

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あやな))久しぶり
臣))え、何でいんの？
あやな))たまたま見かけたから

走って追いかけてきたの、と言えば、にっこり笑った臣。

学生だった時からだから…かれこれ数年ぶりの再会になるわけで。

臣))元気だった？
あやな))うん、元気だった
臣))太った？

ニヤッと笑って私を見る顔も、本当に変わらない。

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あやな))…太ってない
臣))冗談だって
あやな))久しぶりに会ったのに

久しぶりに出会った女の子にいう言葉くらい、他にもあったでしょーよ。

なんて思ってると、後ろから見知らぬ女の子が入ってきた。

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あやな))ごめん、仕事中だよね
臣))あー、まぁな

店内は、お洒落な服が沢山あって。

いわゆる、アパレル系の仕事なんだと思う。

臣))俺がしなくてもカッコイイ先輩が相手するから大丈夫
あやな))…臣もかっこよくなったと思うよ。

少なからず、学生だった時よりかは。

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臣))最後の一言、余分。
あやな))痛っ！

コツン、と頭をこつかれた。