たとえ運命の人じゃなくても【nino】 (ページ7)

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ー運命の人って、どんな人なわけ？

和也がこんな夢見がちな話を蒸し返してくるとは思わなくて、一瞬言葉につまった。

どんな人って、

運命の人は＿＿

「・・・・・」

『どんな人か』なんて考えたことなかったな・・・

「どんな人・・・うーん・・・」

棚からワイングラスを出しながら考えるけど、すぐに答えがでない。

「・・・あ、和也も飲む？」

手にしたグラスをふりふりしながら聞くと

「ん」

また画面から視線を外すことなく返事が返ってきた。

いる、って意味じゃない。

いらない、ってこと。

そんな癖のある返事に最初は戸惑ったけど、今じゃそれが当たり前にわかる。

それくらい同じ時間を過ごしてきたのに、縮まらない距離。

ずっと一緒にいるために私が選んだ " 友達 " という距離。

もうそろそろふっ切れてもいいのに、

会えば疼くコイゴコロ・・・

「はぁ・・・」

可愛くカタカナにしてみても、現実は可愛くない。

今日一番のおもいっきり深いため息をついてから準備したワインたちを机の上に移動し、ふわふわなラグの上に腰を下ろした。