もうひとりのカードキャプター

どろぼうさん？ ページ10

ふたりしてバトンを抱え
お父さんの書斎へと足を進める。

「ふぇぇ、こわい人だったらどうしようAちゃん…」

『ちゃんと鍵閉まってたし、誰かいるなんてないと思うんだけど…でも、"絶対、大丈夫だよ"』

そういってさくらちゃんに微笑む

「！そうだよね、絶対、大丈夫だよ…』

そろり、そろりと書斎に足を踏み入れる。

『私あっちの奥みてくるから、さくらちゃんはこっちみてもらってもいいかな？何かあったら大声で呼んでね！』

「う、うん！わかった！」

そう小声で喋りながら奥へと進んでいく。


私がさくらちゃんと別に行動したのは
これからのことを考えて。
きっとここでさくらちゃん自身で本を見つけて
封印を解除しないといけないから。

だからそれまで私は影でさくらちゃんの様子を見守ろうと思っている。

そしてさくらちゃんから隠れるようにして、
様子を見る。


するとどうやら本を見つけたようだった。

ぱちんっ

本の開く音がする。
そしてその中にあるカードを一枚取り出し
一生懸命読もうとしている。

「んー、うえ…うえんど…うえん…でぃ？」

読み上げた瞬間
ゴォォォォと部屋の中なのにすごい強風が吹きはじめた。

それを合図に私はさくらちゃんの前へと出る。


『さくらちゃん？！どうしたの？！』

「あっAちゃん！急に風がっ！」

話している間にも本の中のカードは散らばってどこかへ飛んで行ってしまった。

そして本からすぅぅと丸い光が出てきた。
光が収まるとそこには
ぬいぐるみほどのクマのぬいぐるみが浮いていた。

「………」
『………』

「こにゃにゃちわぁ！！！」

「あ、関西弁？」
『ぬいぐるみ？』

「ちゃう！わいはケルベロスや！」

さくらちゃんはケルベロスと名乗るそれを掴むと
電池やスイッチを探し始めた。

「痛いっちゅうねん！電池もスイッチもない！！」

「なんで関西弁なの？」

「それはな、この本がしばらく関西においてあってそれで関西弁がうつってしもてなぁ」

『うつるもんなんだ…』

そしてケルベロスから本のこと、カードのことその重要性などが語られた。

「でも、中身何にもないよ？」
「それが問題なんや！よしお前、名前は？」
「え、さくら…」
「おっし！
封印の鍵よ。
汝との契約を望むものがいる。
少女、名をさくら。
鍵よ彼女に力を与えよ！
封印解除！！」

ゴォォォォ

すると鍵のサイズだったものがロッドになった

「よしさくら！それをつかめ！」

パシッ

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