もうひとりのカードキャプター

後片付け ページ7

桃矢side

晩ご飯を食べ終え、
食器を片付ける妹Aをぼーっとみていると
なんだか普段と少し違うように感じた。

何が、ときかれると
これ！と言うものはない。
でも明らかに違うのだ。

今までふわふわしていた雰囲気だったものが
しっかりしたと言うか
はっきりしたと言うか。

だから思わずきいてしまった。

何かあったのか、と。

一瞬驚いた顔をしたAだったが
何にもない、と言いながら笑う
それが嘘なんてことは見てわかる。

何年一緒にいると思ってるんだ。

父さんからAはどこからきたのかとか
どうしたのかなんて野暮なことはきいてないが
母さんのお腹にいたのはさくらだけだったはず。

それなのに病院から帰って来ると
父さんと母さんに抱かれた赤ん坊は2人。

父さんも母さんもとても幸せそうだったし
嫌な感じもしなかったから
きっとこうなるべきだったんだと思った。

だから、父さんも母さんも、もちろん俺も
桜と同じように接したし、
家族であることには変わりないし
家族ではないなんて思ったこともない。

だから今日の変化には正直驚いたし
声をかけるかも正直悩んだ。
でも。
何かあったなら頼ってほしい。
それが兄ってもんだろ？

まぁ、あいつがどう思おうが俺は俺のすることをするだけ。

−−−−−−−−−−

後片付けを終えて部屋に戻る

「あ！おつかれ！」

部屋に戻るとさくらちゃん。

『うん、ありがとう！』

双子なので部屋は同じ。

『さくらちゃん先にお風呂入ってきたら？？』
「そうだね！いってくるね！」

そういってお風呂の準備をしてぱたぱたとお風呂場に向かった。


『…もう、この本も開くのかな』

さくらちゃんが部屋を出たのを確認すると
机の奥にしまってあった不思議な本を取り出す。

物心ついた時にはもう
わたしの手元にあった。
しかし開くことができなかった。

封印解除できた今ならできる気がした。

意を決して本を開く。

パァァァァァ

『！な、なに？！』

本を開くと急に光り出した。

光が止み、目を開くと目の前には1人と一匹？がいた。

「俺はこの本を守るよう言われたガロウだ。」
そういったのは狼の姿に翼が生えている姿の方。

「ぼくもあなた以外の人がこの本を持って行かないよう守護していたアマギ」
後に喋ったのは人の姿をした翼の生えた人。

「「お前の覚醒を待っていた」」

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