もうひとりのカードキャプター

さけび声 ページ34

「ゆきはおれの倍以上食べるぞ」
「え？！」
「僕いっぱい食べないと持たないんだよ」

あはは、と笑いながらそう説明する

食べてきたものを教えてもらっていると公園の奥の方から悲鳴が聞こえてきた。

『これ、池の方じゃない？』
「そうですわね…」

すると学校のお友達がバタバタと走ってきた。


「みんな！どうしたの？！」

するとみんな一斉に見えたものの話をし始めた。

「なんかあしのながいへんなのが！」
「しがうー！白いのだよ！」
「キリンみたいに首が長いの！」
「ぴんくでぴかぴかってまるいのー！」

しかし一人として同じものを見た子はいなかった。

「また…」
『バラバラ…』
「ですわね…」

そしてその日はお祭りをそこそこにして、みんなで帰った。

.・°♪°・.

次の日の夜

さくらちゃんと私と知世ちゃんで池の前まで来ていた。

近くにはガロちゃんもケロちゃんも不安そうにこちらを見ている。

「大丈夫ですの？」
『私にもできることあれば言ってね？』
「だいじょうぶじゃないけどみんなこわがってるもん…クロウカードならつかまえなきゃ！私も毎朝ここ通るから困るし頑張ってみる…」

「さすがご近所の平和を守るお二人ですわ！」

そう言って知世ちゃんはさくらちゃんと私に電話とポケベルになっているものを首から下げてくれた。

「何かあったらこれで連絡取りましょう？お水の中では声は出せませんし」

「ありがとう知世ちゃん！」

そしてさくらちゃんと一緒に杖をレリーズして、
さくらちゃんは魔法を使う。

「『水』(ウォーティー)！！」

さくらちゃんは『水』(ウォーティー)のカードを発動して、水の膜を張った。

「これで水の玉の中の空気を使い切るまでは大丈夫やけど、あんまり長い間は潜ってられへんで？」

「うん」

そして、さくらちゃんは水の中へと潜っていった。

「大丈夫でしょうか…」
『さくらちゃんを信じるしかないよ…』

少しすると池の中から光が見えた。

それと同時に知世ちゃんの下げているポケベルがなった。
見てみるとそこには

“オカアサンガ イル”

「お母さん？！」
「さくらちゃんとAちゃんのお母様は7年前になくなったと…」
『そうだよ、お母さんがこんなところにいるはずない…！』

その言葉とともにケロちゃんが池に飛び込もうとする。

しかし何かに拒まれ弾かれてしまった。

「ケロちゃん！」
『私が行く！』

池の柵を飛びこえようとすると先に池に飛び込む人影が見えた。

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