赤井秀一の悪友4th【名探偵コナン】

夜闇の逃走劇 ページ24

私の言葉に多少の反応は見せたものの、ベルモットは瞬時に人質…江戸川コナンを引き連れてジョディの車を奪った。とっさに秀一からライフルを奪って構えるものの、彼女は乗り捨てた車を後ろ手で撃ち抜く。結果爆煙で視界が塞がれ…その隙に車はとっくに射程圏内を外れていた。

『…チッ、やられた』

「あの体でミラーごしにガソリンタンクを撃ち抜くとは…やるねぇ…」

「何感心してんのよ、人質取られて逃げられちゃったじゃない！！」

「自分(テメエ)の車のキーぐらい抜いとけよ…」

『ジョディ、傷が開くから大声出さないの』

撃たれた腹部を抑えるジョディを制し、軽く額を小突く。

「イテテ…わ、悪かったわね…」

『ごめんね、警察来たみたいだから…後始末お願い。あくまで偶然居合わせた事にするのよ？私たちの目的を悟られないように』

唯一の収穫だったカルバドスは隠し持った銃で自決、現場はパトカーのサイレンだけが虚しく響く。

「俺たちはまだ、その茶髪の少女と顔を合わせるわけにはいかないんでな…行くぞ」

私たちは未だ素顔を公に晒せない。後ろ髪を引かれる思いで、手負いのジョディをその場に残して彼を追いかけた。

「次の手は勿論あるんだろう？」

『ええ…今回は先にベルモットが動いたから便乗したけど。もう一人、気になるのが残ってる。追う価値はあると思うわ』

「…帰ったらジェイムズを交えて話そう」

『了解…』

ーーーー

『まあ、そう簡単にいくわけないとは思ってたわ…。けどね、いくら彼女の変装が完璧だったとはいえ、作戦の変更を上司に確認しないのもどうかと思うわ貴方たち？』

「「「すみませんでした！！！！」」」

反省点なんて幾らでもある。変装して先回りしたベルモットがジョディのフリをし、その場に張っていたはずの部下たちは彼女の言葉を疑う事なく撤収してしまった事とか。結局は混乱した現場でどれだけ状況を把握し、臨機応変に対応するか…それに尽きるが。まだ部下たちはまだまだ経験を積ませる必要がありそうだ…。

『今後こんな失敗をしないように、今回の事は肝に銘じなさい。こちらは既に別の作戦を考えてるから、早めに切り替えるように』

全く世話の焼ける部下たちだ…。

「それで？次はどうするつもりだね…新菜くん」

私たちの頭は、既に次のターゲットに移っている。

『ええ、彼女の周辺を軽く探ったんですが。水無怜奈…やはり単なるアナウンサーではないかもしれません』

ーまだ糸口は潰えていない。

【番外編】天使の日(赤井視点)→←夜闇のパーティ

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