赤井秀一の悪友4th【名探偵コナン】

※譲れないもの ページ3

※若干のR15指定あり、苦手な方は回れ右

「お前の反応が可愛らしいもんだから、こればっかりはやめられそうにないな…」

『ええー、こんな所で気配遮断発揮しないでよ…』

少し抵抗の意味を込めて、腰に回る腕を軽く叩く。緩んだ腕から抜け出そうとしたが、隙を突かれて身体が反転した。見上げれば、正面からこちらをじっと見つめる緑と目がかち合う。

「…で、切った本人の感想は？」

こちらを見下ろす輪郭から、雫が落ちるさまが目に焼き付いて離れない。私は首にかけられていたタオルで髪をぐしゃぐしゃと乱すと、そのまま彼の頭を引き寄せた。

『…前より男前が増した。今の方が好きかも…私の好きな色が、よく見える』

目元をそっと親指でなぞると、数センチの距離で彼が少し驚いたように息を呑む音がした。私の好きな…綺麗な緑。気付いた時にはぼやけて見えなくなってしまったので、そのままそっと目を閉じる。

『…んん』

角度を変えて何度も重なる唇に、感覚が研ぎ澄まされていくのが分かった。遠慮なく口内を舌が暴れ回り、わざとらしく音を立てて唇が離された時には、身体に力が入らなくなる。

「っは…。ここぞという時に、お前はそうやって俺を誘うのが上手い…困った子だな？」

『はぁ…っ？先に誘ってきたのは、そっちでしょ。あんな目で見られたら分かるわ』

「フ…理解のある相棒で助かるよ。なら、俺が次に何を言いたいか分かるな？」

合わさる額と、腰から移動して背中をなぞる指先…どう足掻いても逃げられない。それでも私にだって譲れないものはある訳で。

『動きに支障が出ると困るから…一回だけだよ』

「手厳しいお姫様だな…おまけしてくれたって、支障はないだろう」

『ダメ…示しがつかない。今回は私も絶対、万全な状態であなたと一緒に前に出るの』

それだけは、譲れない。彼の事だ、先に念を押しておかないと…うっかりと称して私を前線から遠ざける可能性もなくはない。もちろん後方支援はする、だが今回こそは…それだけで終わってやるつもりもない。

「…分かった。それがお前の望みなら」

『ありがと…それに、秀一なら一回あれば充分でしょう？出来ないとは言わせないわよ』

「そうだな…一回で嫌と言うほど愛してやるから覚悟しとけよ？煽ったのはそっちだからなあ…」

『今の顔完全にラ…あああ！』

宣言通り、一度で散々な目に遭いました…解せぬ。

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訳:スペックが高いから抱かれても動けるけど、万全な状態で隣に立ちたい彼女

勝ちへの布石→←過去との決別

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