赤井秀一の悪友4th【名探偵コナン】

TTX ページ7

嘘は言っていない。護身の為に習ったのは本当だし、本国では誰だって銃を扱える権利がある。ここまで言っても疑うとしたら…彼は相当用心深い。

「そっか、お姉さん外国の人だもんね！あんまりにもカッコいい構え方だから、つい見とれちゃったー！」

『あはは、それはどうも。凝り性でね、ゲームだと分かっててもつい熱が入っちゃったのかも』

私と少年が話し込んでいる間に、更にジョディは新たなゲームに移っていた。今度はレーシングか、あの子どれだけ遊ぶ気なの…。彼女のテクを横目で眺め、私はさっきの格闘ゲームの対戦モニターに目を移す。…対戦者、どっちも柄悪いな。ホントこの町、治安悪い。

「え？何？どっち勝ってんの？HPゲージないじゃない…」

怒涛のラッシュが続いたと思えば、操作キャラはとどめを刺す事なくドローで終わった。…しかし、そこで違和感に気付く。片方の男は、ヘッドギアを嵌めたまま亡くなっていたー。

ーーーー

『日本の警察も大変ですね…こんな昼間から』

「いえいえ、これが仕事ですから…えーっとあなたは」

『ニーナと言います。そこで警部さんの発音を正しているジョディの姉です。ジョディ、それくらいにしなさい…警部さん困ってるでしょう』

「Oh…ソーリー！つい癖で！」

『もう、困った子ね…』

いまいち締まらないな…さてはジョディわざとか。

「…ところでニーナ、あなたはこの事件予想つく？」

『そうね…特に外傷がなく、加えてあの状態は窒息死に見えるから』

「『毒だと思わない(思うわ)？』」

ゲームセンター内の喧騒に紛れてあちらに私の声は聞こえなかっただろうが、こちらに少年の声はよく響いた。

『…あの子、いい目してるわね』

だとすると、その毒を摂取させるとしたら…。

「でも毒を針か注射器で体の中にさー…」

そうね、この場所なら…そしてゲームの機械に手足を繋いでいた無防備な状態なら。個人に注目しない隙をついて毒針を身体に刺す事くらい、誰にでも出来る。

「Uh…hun…」

『(これはこれは…単なる博識な少年と済まして良い物じゃないな)』

被害者の血液検査の結果、使用されたのはテトロドトキシン…通称TTX。

「口から入れれば中毒症状の進行が遅く助かる場合が多いけれど…」

『直接血液中に注入されると、短時間で神経が麻痺し呼吸不全を起こす…なるほどねえ』

「ふ、二人とも詳しいですね？」

「友人のドクターが言ってたんデース！日本に行ったらフグの毒には気をつけなさいってね！」

Cool guy→←銃口と名探偵

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す