赤井秀一の悪友【名探偵コナン】

いざ祖国へ ページ50

少年に会ってから約一カ月後。私は以前打診された通り、日本へ飛んでいた。ある程度の情報収集はしているが、やはり現地にいないと分からない事もある。浮かないよう、しばらくは黒髪のウィッグで日本人に見た目を寄せることにした。

『ここが…母さんの祖国』

初めての日本。仕事ではあるが、ジェイムズさんは折角祖国に行くのだから、色々な物を見て触れて来なさいと言ってくれた。アメリカとは違って随分と平和に見えるが、組織が動きを見せる町は犯罪に溢れた異様な場所だと聞く。

『早く相棒を呼べるように、頑張りますか…！』

共に来た仲間たちと共に、私は歩き出した。この国で私は、劇的な出会いをする。今後ずっと関わることになる、かけがえのない友人たちに。


次回、黒の組織潜入追跡捜査編突入
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5/18 作者より

一カ月近くかけ、ようやく一本書き上げることが出来ました。赤井さんと並べる悪友ポジ同期の話が書きたくて衝動で始めたこの話が、ここまで続けられたのは奇跡です。赤井さんが暴走しまくって、当初の予定はだいぶ狂って驚いてますけど…なんとかなったね。

赤井さんの潜入捜査に入る前にどうしても、新菜がFBIとして動く上で意識を変えてほしいことがあって、最後の話は無理矢理突っ込みました。

"先走って、自分一人で傷付く事は誰も幸せにしない"

"周りだけでなく、自分を含め被害をなるべく抑えるための技量こそがこの仕事を続けていく上での強さだ"

それをこの子には自覚させる必要がありました。今までの彼女は、自分を犠牲にしてでも誰かを守ろうとする危うい可能性がありました。それを抑えるのが赤井秀一であり、彼と生きていくために、今後は策を巡らせる方向性が変わります。効率ではなく、なるべく多くが救われるために自分に出来る事は何かを、全力で探して実行する冷静さを加えた策士になります。

個人的には、降谷零と藍川新菜は似ているようで違う人間として書くつもりです。赤井秀一が絡むとダメになるのか無敵になるのか、一人で全てを背負うのか仲間と共に背負うのか。一人で戦っているのではないんだと、もっと周りを見なさいと…前の自分みたいな降谷零を危惧して、諭す立場になってほしい。赤井とのドンパチは男ってめんどくさい生き物…とある程度傍観しますが、ボーダーを超えたら何をしてでも止めます。彼女の全ては相棒だから。

長くなりましたが、赤井と降谷を両方救うための潜入捜査編も、どうぞ引き続きお付き合いください

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