唯一の存在 ページ42
昨日は珍しい秀一の一面を見た。
"本当にお前は…俺を振り回す天才だな、お姫様？"
今まではあの冷静沈着の代名詞の様な男が、私一人にこうも切羽詰まった顔をするなんて思わなかった。余裕のない彼の必死な眼が、私は割と好きだ。それが
よっぽど余裕がなかったんだろう、結局手当てもできずシャワーを浴びることもなく。あの秀一が、珍しく私より先に寝落ちした。
『(動けない…)』
目が覚めた時から、彼の腕が絡んで動けない状態でかれこれ30分は経過している。いい加減離してくれてもいいんだけど、こうも満足そうに微笑んでいると突っぱねるのも忍びないのだ。
「にいな…」
『んー？』
「…Thanks.I love you.」
『なんでそこだけ流暢に言うかな！…Me too.』
秀一は寝起きが割と低血圧で、しばらく呂律が回らないという欠点がある。そのくせ、英語だけは流暢なので寝起きの心臓には大変宜しくない。寝起きと相まって色気がダダ漏れなのだ、普通に照れる。
「んふ…ふわぁ」
『(ご機嫌だな…欠伸混じりだけどわかりやすい)』
結局、時間ギリギリまで拘束は解かれず仕舞いで。私も満更ではなかったため、仕事があると分かっていても何処か気持ちは軽かった。
ーーーー
『あーあ、痣になってる…放置したからなあ』
彼を無理矢理叩き起こし、ようやく手当てに取り掛かる。流石にやりすぎたなーと思いつつ湿布や薬を塗ってやりました。無理しなければ、仕事には差し支えないだろう。
「お前の所有印みたいで、俺は満更でもないがな」
『いや、そんな物騒な彼女どうなの？』
私は嫌です。せめて可愛い彼女でありたい…もう手遅れかもだけど。彼にはもっと女らしい彼女の方が似合うんじゃないかな？ちょっと悲しくなってきた。引っ込めセンチメンタル。
「…充分お前は可愛いし、俺は新菜だからここまで惚れ込んでるんだぞ？」
甘えるように額を寄せ、至近距離で優しい眼が私に向けられる。こういう時にちゃんと名前を呼んでくれるのは、本当に狡い。
「俺は、女を見る目は確かだと自負してる。その俺がお前にべた惚れだ…今まで見た中で一番良い女だよ、新菜は。俺以外に渡せるものか」
これ以上言わせるのか？と首を傾げる彼に、どうしようもなくときめいた。言葉や態度一つでこうも一喜一憂する私も、大概べた惚れらしい。
『私も、秀一じゃないとダメみたい』
多分この先もずっと、手放せない唯一。
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アハッ！(^o^ゞ - わかりました。 これからも更新応援しています！(*^-^*) (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 何度か名前変換の件は来ていて申し訳ないのですが、最初に書いてある通り付ける予定はありません。理由も変わりませんし、過去作の無印から4まで何十何百箇所ある全て修正する事に割ける時間と余力も足りません。どうかご了承下さいませ。 (2020年7月11日 23時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
アハッ！(^o^ゞ - 私からもお願いします(^.^)(-.-)(__) (2020年7月10日 20時) (レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 自分の名前を設定できるようにしていただきたいです。 (2020年5月26日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
クーニャン(プロフ) - ニュアンスでこう言ってるかも？？で読んでます。英語、楽しいですか？ルビお願いします。 (2018年12月10日 22時) (レス) id: a023cd468e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュウヤ | 作成日時：2018年4月26日 11時
