誰しも苦手な物はある ページ20
『やらかした…』
翌日、私は自己嫌悪に陥っていた。相棒が風邪で弱っていたのに、ろくに看病らしきものも出来ず…自分も睡魔に負けて寝てしまうとは!
『(いや、でも動き封じてきたのはあっちだもんな…)』
風邪引いた人間の体温、それは睡魔を誘う魔物でした…私悪くないよね。
気を取り直していつも通り寮を出ると、入口で相棒が待っていた。顔色も元通り元気そうで、少し安心。
「おはよう、昨日は助かった」
『おはよ。ごめんね…結局何もできなくて…ウッやめろ痛い痛い』
いつものように頭を撫でてくるのだが…ちょっと力加減がおかしい。痛みから逃げようと狼狽える私を見て笑っている相棒に、軽く殺意が湧いた。
「本当にな、何でお前あそこで寝落ちるんだ?お前こそ普段ちゃんと寝てるのか気になるところだが」
『ねーてーまーすー!あんたが風邪体温でぽかぽかしてるのが悪いんですー!誰だって寝るでしょあんなの!』
そうして、しばらく私悪くないアピールを続ける私なのであった。
『…でも、やっぱりいつもの秀一がいいや。張り合いがないもの』
「言ってろ。今日も俺が勝つからな」
うん、やっぱり相棒はこうでなきゃ。看病に関しては…次回があったらリベンジさせていただきたい所存です。あるかわからないけどね。
ーーーー
ところで、成績上位を保つ努力を怠らない私にも所謂苦手と言える物がやっぱりある。そう、それは爆発物処理ー。
『あ、無理もう手が限界を訴えている』
正直なところ、細かい作業自体が苦手と言ってもいい。爆発物とかちまちま解体するの、性に合わなくて困っているんです…!
「相変わらず駄目だな、評価ギリギリって感じか」
『こればっかりは慣れない…こう、無機物相手にモチベ上がんない』
「ほら、そこはもう少し下を摘んでだな…」
先にあっさりノルマをこなした秀一が、逐一アドバイスをくれる。指示は的確で、わかりやすい。おかげでなんとか私もノルマを達成できた。
『やったー!終わった…』
達成感におもわずバンザイした私。お疲れさん、と秀一が缶コーヒーを奢ってくれた。いつの間に買ってきたんだ、これ…。
「しかし、お前本当にこれだけは上達しないな」
『誰にだって苦手はあるよ…。でも、専門職員よりは捜査官の方に行きたい』
「それは同感だな。捜査官の方が俺たちの目的には都合が良い」
互いに無言で空を見上げた。この広い空の何処かに、私たちが追い求める真実がある。
「『もっと強くならないと』」
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アハッ!(^o^ゞ - わかりました。 これからも更新応援しています!(*^-^*) (2020年7月16日 21時) (レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 何度か名前変換の件は来ていて申し訳ないのですが、最初に書いてある通り付ける予定はありません。理由も変わりませんし、過去作の無印から4まで何十何百箇所ある全て修正する事に割ける時間と余力も足りません。どうかご了承下さいませ。 (2020年7月11日 23時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
アハッ!(^o^ゞ - 私からもお願いします(^.^)(-.-)(__) (2020年7月10日 20時) (レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 自分の名前を設定できるようにしていただきたいです。 (2020年5月26日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
クーニャン(プロフ) - ニュアンスでこう言ってるかも??で読んでます。英語、楽しいですか?ルビお願いします。 (2018年12月10日 22時) (レス) id: a023cd468e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウヤ | 作成日時:2018年4月26日 11時