アクシデントの真実 ページ12
「2人とも無事だったか!」
私たちの姿を見て駆け寄って来たのは教官2人、残りの班員たちは後方で様子を伺っている。怪我はないか、大丈夫かとあちこち確認された。
『私は彼が庇ってくれたので特には。すみません、備品を色々と壊してしまったようで』
「俺の借りたインカム、おそらくはもう使えそうにないかと。でも、建物については謝る必要はありませんよね?」
「『だって、元々取り壊す予定だったんでしょう?』」
揃えた声に教官たちはピクリと体を揺らした。さあ、it's show time!
『最初、どうもおかしいと思ったんですよ。やけに立ち入り制限が多いなって、建物自体も結構古そうだし』
「確信したのは俺たち2人だけが綺麗に閉じ込められてからです。あんなにピンポイントで入口が崩れるなんて、狙わないと難しい」
私だって耳が悪い訳じゃない、気を抜いたと言ってもあまり壁側には寄らないようにしていた。にも関わらず、予期しない方向からの圧を受けて壁が崩れた。
『人選はまあ、予想がつきます。私も彼も成績上位、試されたのか恨まれたのか…その辺りが妥当でしょう。現に、他の人たちの避難は完璧に終わっていました』
「恨まれた線を考えると、古いとはいえ建物の入り口を正確に崩す…その芸当はかなり計算が難しいと思われます。
『なので、私たちはこれを"現場を知り尽くしている教官たちによる抜き打ちテスト"と判断しました』
如何でしょう?と2人でにっこり笑うと、教官たちは少しの間ふむ…と考え込んだのち"合格だ"と笑ってくれた。
「少々危険な目に合わせてしまったのは謝ろう。君たちが言う通りこれは、毎回恒例の行事でね。その時の成績上位者2名を試す、謂わばテストだ」
「君たちのことは特に、上が大きな期待を寄せていてね…。1人より2人合わせて様子を見た方が、実力が測りやすいだろうと」
君たちなら無事に切り抜けてくれると信じていたよ。そう言って微笑む姿に、どうやら嘘はないようだ。
『…お眼鏡に叶ったようで、何よりです』
今日はもういいから、救護室で念の為見てもらってきなさいとのお達しで、ようやく帰路に着いた。救護室なう。
「そういえば今日の勝負だが…」
『あっ忘れてた。どっちが勝ったのこれ』
担当医が居らず、仕方なく互いの傷を確認し合っている最中。弾みで彼の傷口に強く消毒液を押し当ててしまったのは申し訳ない、諦めてくれ不可抗力だ。
「っ…、加減しろ」
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アハッ!(^o^ゞ - わかりました。 これからも更新応援しています!(*^-^*) (2020年7月16日 21時) (レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 何度か名前変換の件は来ていて申し訳ないのですが、最初に書いてある通り付ける予定はありません。理由も変わりませんし、過去作の無印から4まで何十何百箇所ある全て修正する事に割ける時間と余力も足りません。どうかご了承下さいませ。 (2020年7月11日 23時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
アハッ!(^o^ゞ - 私からもお願いします(^.^)(-.-)(__) (2020年7月10日 20時) (レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 自分の名前を設定できるようにしていただきたいです。 (2020年5月26日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
クーニャン(プロフ) - ニュアンスでこう言ってるかも??で読んでます。英語、楽しいですか?ルビお願いします。 (2018年12月10日 22時) (レス) id: a023cd468e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウヤ | 作成日時:2018年4月26日 11時