脱出劇と確信 ページ11
「すまないが、俺のはイカれちまって
な…。誰かに連絡を取って、地面にマットか何かひいてもらうか…外から瓦礫を何とかしてもらうか」
『それしかないかー、ちょっと待って』
庇ってもらったおかげで生きていたインカムで班員に連絡を取る。案の定他はみんな無事に避難しており、外から様子を伺っていたとの事。
『下手に瓦礫動かして二次災害起こすのは避けたいから、飛び降りろってさ。マット用意してくれるって』
「どの位置だ?」
『えっとね…』
比較的被害の少ない地点の窓を割り出し、人が通り抜けられるように枠を広げた。もちろん、ショットガンと足で。
ガァン!とかなりいい音を立てて窓枠が下へ落ちていく。
「こんなものか…」
『相変わらず惚れ惚れするほどいい足捌きだこと』
パラパラと散る塵屑さえ、映画のワンシーンの演出のようで…様になっている。
「そりゃどうも…下、見えるか?」
『うん、大丈夫…最悪、そこらの植え込みがクッションにならないかなー』
「俺がそんなヘマする訳ないだろう…と、言いたい所だが」
『聞こえたよねー、今の音』
無理やり窓枠を壊したせいなのか、周辺に亀裂が入ったのを私たちは見逃さなかった。窓枠破壊は流石に荒療治すぎたのか、いやでもそれくらいで亀裂が入る建物を実技訓練の場所として使ってる上もどうなの。欠陥住宅かよ。
「マットの到着を待っていられんかもな…ここが無事なうちに降りるか」
『うええ…何が楽しくてこんなことになってんだろ私たち』
思わず額を抑えた私に、苦笑した秀一が私の頭を撫でる。緊張感のかけらもないけど…互いにここから脱出するのに不安はなかった。
「俺たちが組んでるんだ、どうにでもなるだろ?」
『全く同感だわ、とりあえずここ降りたらゆっくり休みたい』
手足を軽く伸ばし、いつでも降りられる態勢を整える。地面をじっと見つめていた秀一が、視線を上げて手招きした。
「うまく植え込みの方へ行けそうだ。ちょっとばかし助走はいるが」
『わかった、思いっきり走っていい?』
「でないと着地地点がズレるな、全力で行け。地面を蹴ったら後は俺に任せて離れるなよ」
『ん、任せた相棒…行くか!』
せーの、で一斉に走り…地面を思いっきり蹴る。僅かな浮遊感、のち抱き寄せられて感じる温もり。またもや庇ってくれたようで、大きな衝撃は感じずに済んだ。脱出成功。
「なんとかなったな、動けるか?」
差し出された手を取りその場を離れてすぐ、建物は崩壊した。
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アハッ!(^o^ゞ - わかりました。 これからも更新応援しています!(*^-^*) (2020年7月16日 21時) (レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 何度か名前変換の件は来ていて申し訳ないのですが、最初に書いてある通り付ける予定はありません。理由も変わりませんし、過去作の無印から4まで何十何百箇所ある全て修正する事に割ける時間と余力も足りません。どうかご了承下さいませ。 (2020年7月11日 23時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
アハッ!(^o^ゞ - 私からもお願いします(^.^)(-.-)(__) (2020年7月10日 20時) (レス) id: 7b7bfd9a97 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 自分の名前を設定できるようにしていただきたいです。 (2020年5月26日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
クーニャン(プロフ) - ニュアンスでこう言ってるかも??で読んでます。英語、楽しいですか?ルビお願いします。 (2018年12月10日 22時) (レス) id: a023cd468e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウヤ | 作成日時:2018年4月26日 11時