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25.赤葦 side ページ25

変だと思ってしまった



いつもより異常に早く目覚めて、



寝起きなのになんだかテンションが高くて





赤葦「珍しいですね」





「なにが?」





赤葦「こうやってAさんが朝ごはん作ってるの」






「そうかな?」






赤葦「はい」







キッチンに立って料理する彼女を小さなカウンター越しに見つめた





いつもなら寝起きが悪くって、いつまで経っても起きない






それをいいことに少しだけいたずらしてるのに…







「ほら、お皿出して?」





赤葦「ん…はい」




「今日授業あるんでしょ?早く支度しないと」






赤葦「ん…」






彼女の後ろに回って抱きしめたら、クスクス笑う




甘いミルクみたいな香りがする彼女がやっぱり愛おしく感じた





けどやっぱりなんだか違和感があった






「赤葦くんが、なんだか年下みたい」







赤葦「いや…年下ですけど」






「うーん。なんていうか、いつもはしっかりしてるからさ。たまにはこうやって甘えていいんだよってこと」





ああ、可笑しいのは俺の方か





こうやって甘く溶かされて…





あの雨の日、残念なんて言ったけど




そんなの建前だった





聞きたくないというのが本音だった






きっと彼女が宮城にいた頃のことだと思う



その頃のことを聞こうとすると極端に嫌がることを、もう何年も前から知っている






それに俺がセッターだって言った時だって、なんだか動揺してた






赤葦「顔洗ってきます」






「うん、準備しておくね」






赤葦「はい」






ゆっくり流れる時間の中で





確実に向き合わなきゃいけないことがあることを知っている





そして、それに向き合ったらきっと俺は彼女の背中を押してしまうことも…









知っていた

26→←24.赤葦 side



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ゆう(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!初コメ嬉しいです!まだまだ色々絡み合ってるのでなんとも言えませんがみんながいい方向に進むといいですよね!(他人事か!) (2019年6月28日 0時) (レス) id: dc3752dd12 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - とても面白い作品で、続きが気になりました。自分のペースでいいので更新頑張って下さい! (2019年6月27日 21時) (レス) id: 9f15091c54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう | 作成日時:2019年6月9日 21時

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