失くした恋との再会【及川徹】

12.花巻 side ページ12

雨の中岩泉の背中を追いかけるように店を出た






雨宿りの意味がないくらいさっきより強くなった雨にタクシーを止めて二人乗り込む







岩泉「お前…さっきのこと絶対及川に言うなよ」





花巻「え、なんで？」








言ってあげたほうがいいんじゃないかって思った。





だって、及川は山本さんに会いたいわけだし…




山本さんだって及川のこと気にしてるわけだし…









岩泉「あいつら二人でなんとかしないといけない問題なんだから…俺らが首突っ込むことじゃねーよ」







花巻「の割には一から十まで話聞いてあげてたけどね笑」






岩泉「うっせー」





岩泉は昔からこういうやつだった






仲間が困ってる時に手を差し伸べるのは決まって岩泉だった






多分、及川に関してはずっと一緒に育ってきたから余計だろ




俺は詳しくは知らねーけど、中学の時も色々あったみたいだし…





花巻「ほんと、面倒見いいよなお前」




岩泉「周りに厄介な奴が多いだけだ」






花巻「それでも見放せなくて、面倒見てるんだから…」









"本当、いいやつだな"っていいかけてやめた。








そのかわり…








花巻「お前って相変わらず母ちゃんだな」







岩泉「は？」





花巻「ごめん笑」

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