占いツクール
検索窓
今日:7 hit、昨日:96 hit、合計:205,249 hit

【番外編】02.違和感 ページ14

ある日のこと。



「……は?」



Aとの連絡手段の一つであるトークアプリを開いてみると、通知が一件。彼女からは考えられないほどの雑なメッセージが入っていた。



A実家とまるね、しばらく帰れない



了解、と返信したあとに数秒考える。今までの彼女なら、実家に泊まる際は電話を入れてくるはずだった。何かが、おかしい。



「……」



彼女のことを信用してないわけではないが、どうせ電話してもはぐらかされるだけだと思い、彼女の実家に直接電話することにした。


そのまま 連絡先を開き、同居が決まった際に登録していた彼女の実家をタップする。すると、聞こえてきたのは予想通りの声。



「……もしもし」
「あら、勝己じゃない。どうしたの?」



昔から、アイツと違ってフレンドリーな彼女の母親だった。



「別に、アイツは?」
「A?最近、あの子とは全く連絡とってないのよ」
「……ふーん」
「何、家出でもされた?はやくあの子嫁に貰ってよね」



あはは、と笑い声を上げた彼女に どき、と心臓が脈打つ。……“嫁”、か。「うっせ」と返した後に電話を切る。


とにかく、彼女が実家に帰ってないのは確かだ。何か事件に巻き込まれたのだろうか、と考えていると仕事の電話が入り思考を停止させる。

アイツが今頃、どんな思いをしているかなんて考えもしなかった。






その日の夜、戸惑った様子の彼女の母親が焦ったように電話を掛けてきた。


──あの子、いま入院しているらしいの。

口止めされてるんだけど、と続ける彼女の声は 俺には届かなかった。



「…は?」



焦燥感が胸の奥で暴れる。どうして自分がこんなに焦っているのかもわからず、苛立ちを隠せない。

入院している理由も、彼女の母親でさえ聞いていないそうだ。


お見舞いに行ってあげて、と言われて考えこむ。アイツは、俺に入院していることを告げずに実家に帰ると嘘をついた。

俺には、来てほしくないのかもしれない。



「……仕事が、忙しいんだよ」



心にもないことを言う自分が、何よりもみっともなく感じた。








「……」



あれから数日も経ったというのに、彼女が入院している、ということが頭から離れない。何度、病院に乗り込もうとしたことか。


入院している理由。
俺に嘘をついた理由。


たくさん問い質して、納得できるような説明をしてもらうことだってできた。



それでも、俺はアイツの病室に足を運ぶことができなかった。

【番外編】03.ニュース→←【番外編】01.もうひとりの



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (478 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
462人がお気に入り
設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 爆豪勝己   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

√A(プロフ) - 真実さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです!頑張った甲斐がありました〜(笑) お気に入り登録もありがとうございました! (7月20日 11時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 哀切この上なくて、でもとても素敵なお話でした……! 久々に素晴らしい作品に出会えました、ありがとうございますっ…… (7月20日 1時) (レス) id: 645dfe253c (このIDを非表示/違反報告)
√A(プロフ) - けいさん» 最高だなんて、、そう言ってもらえて嬉しいです。そうですよね、、大好きな人との時間を大切に過ごしてくださいね。コメントありがとうございました! (10月7日 21時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)
けい - ずごい泣けました……涙が込み上げて来て最高でした。最後のほうはもう画面が見えなかったです。大好きな人の声が聞けないなんて私は耐えられないと思います。 (10月4日 21時) (レス) id: 0d0916fec7 (このIDを非表示/違反報告)
√A(プロフ) - でんぷんさん» 返信遅くなって申し訳ないです。ほんとですか!笑 そう言ってもらえて嬉しいです。コメントありがとうございました! (10月2日 19時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:√A | 作成日時:2018年2月8日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。