終わらない愛を君へ (ページ23)

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｢とりあえず手、離して｣

繋がれてた手を、空いてる手で指さすと｢あぁ｣なんて離して。

その手に、持っていた紙袋を渡す。

北｢…は？｣

｢んじゃ！｣

へらっと笑って松村くんに背を向けて逃げると、｢あははっ！え、マジ！？｣って大爆笑してる松村くんの声が聞こえて。

なんて子供じみたことを…なんて思うけど！

申し訳ないけど、今日は無理！

情報解禁の日は、女優・園田Aを完璧に演じきれる気がしないの！

絶対、彼にバレる、、

1人でも大丈夫、強くなったよってとこ、見せなきゃいけないのに

今日は絶対……

｢っあ！｣

人とぶつかりそうになって、避けようと思ったらフラっと体が傾いた。

ポフっと、掬うように体をキャッチされて、｢あっぶね｣って声が上から降ってくる。

｢……ぇ、｣

お礼を言う前に、声と匂いで誰だか分かって、脳内も体も停止した。

北｢あぁ！ちょっと樹！Aちゃん捕まえといて｣

｢え！？いやいやいや…｣

またも逃げようとしたけど、完全に樹くんにホールドされる形で、抱き寄せられて

樹｢何したの？A｣

ふはって笑って上から私の顔を覗く樹くん。

｢あの、近いし……何もしてないし｣

勘弁してよ、こんな近いの。
さすがにしんどい。

樹くん、前からカッコよかったけど
今は大人の色気がプラスされたイケメンで、シンドい。

樹｢また逃げんの、A｣

ボソっと呟いた樹くんが、あまりにも寂しいって顔するもんだから…

あぁ、弱いな。
その表情に弱いんだよ、私。

｢もう逃げるのやめる、ごめん｣

そうやって、｢うん｣って目細めて笑う姿も、好きだったなぁ、なんて。