終わらない愛を君へ (ページ14)

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｢樹くん、もう会うのやめよ、｣

樹｢…何言ってんの、｣

数日後、樹くんの家に久しぶりに会いに行って
そう伝えると、樹くんの瞳が揺れた。

｢私は注目の新人女優で、樹くんは事務所から期待されたグループ、でしょ？｣

樹｢それが会う会わないに何が関係あんの？｣

｢樹くんには守らなきゃいけないもの、たくさんあるよ。ずっと応援してきてくれたファンと、ずっと頑張ってきたジェシーくん達と｣

樹｢俺はAも守りたい｣

真っ直ぐ目を見てそう言った樹くんに
泣かないように我慢している細い紐が切れそうにピシピシと音を鳴らす。

今日は、泣いたらダメだ。

今後、私の隣で慰めてくれる人はいなくなるんだ。今だけでも強くなれ

｢私の存在は、その守りたい人達を傷つける要因なんだよ。樹くん。｣

お願い、分かって。

樹くんと大切な人たちを守るにはこの選択しかないの。

樹｢それじゃあ、Aが辛い時、誰が守んの？｣

｢樹くん、｣

樹｢Aが泣きたい時、誰が涙を拭ってあげんの？｣

｢泣かないで、お願い…｣

樹くんが私の前で泣いた事なんてなかったのに

私のことで泣かせてしまった。

樹｢なんて周りから言われても、俺はAが好きだよ。ずっと一緒にいたいって思ってる｣

樹｢Aは？俺の事、好きじゃなかった？｣

そんなの、決まってるじゃない。

ずっとずっと、樹くんが好きだよ。

｢ごめんね、樹くん｣

いつの間にか繋がれていた手を優しく解いて

樹くんに背を向けて、すぐ家を出た。

樹くんを守るためにはこれしかなかった

そう言い聞かせて、自分を正当化していたんだ。