終わらない愛を君へ (ページ2)

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彼とまた仕事がしたいがために、彼と会わなくなって5年経ってもなお、女優という仕事を続けてるんだ。

もう5年経つのに、やだなぁ。忘れてくれない。
こういう時だけ記憶にしっかり残ってる。

目細めてクシャって笑うところとか

髪かきあげる時の仕草とか

｢どした？｣って誰よりも早く気にかけてくれるとことか

昨日の事のように覚えてる私、本当に気持ち悪いな

今月にデビューを控えてるってニュースで見て
思い出しただけの事。

お互い、人気になればなるほど、忘れなければならない過去。

彼は、グループという“彼がいないといけない場所”があるけど、私は？

最近主演をチラチラと任せて貰えるようになった、まだまだの女優で。

そんな、いつそのポジションを奪われてもおかしくないグラグラの崖みたいな場所にいる私。

ね？私じゃなくても良いでしょ？

葛城｢今のAにも、守らなきゃいけないもの、たくさんあるでしょ？｣

守らなきゃいけないもの、んん、何だろう

事務所からの期待？

私を芸能界に放り出すだけ出して、自分たちはその金で遊びまくっていたような親？

女優という武器を手放したら、何にもなくなる自分自身、かなぁ

｢葛城さん、今日会う人たちって誰だっけ？｣

葛城｢撮影始まる映画の人たち。…まさか、あんたねぇ。撮影してない時くらいは演技しないで接しないと…｣

｢女優、園田 Aを守れって言ったの、葛城さんだよ？｣

葛城｢そうだけど、そうじゃなくて…｣

｢それに、なんで私がカメレオン女優って言われてるか知ってる？｣

｢どこを切り取っても、みんなが理想とする園田 A を演じてるからだよ。｣

こんなこと知ったら、彼は凄く怒るんだろうな。

はぁ？なんて眉を寄せて

お前バカなの？って言いながらすっごい心配した顔するの。

いつだってそうだった。

そんな彼が、大好きだった。