【妖怪ウォッチ1】永遠の夏に終止符を (ページ4)

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真夏の蜃気楼、再びページ4

今日は夏休みによくあるラジオ体操が継続してあって、早起きしたあたしは走って公園まで行き、さっさとラジオ体操を済ませて、家に帰ってテレビをつけて朝のニュースを見ていた。
これが暇な夏休みを過ごすためのあたし、さくら住宅街に住む普通の小学5年生、アズサの日課。もちろん宿題はあるけど。

『～さくらニュータウン隠れ観光スポット～
夏休み連日企画のこのコーナー、ここでは隠れた観光スポットを紹介します。
今日のお題はさくら中央シティです。
さくら中央シティの海辺に、連日蜃気楼が発生しています。
普通見られない真夏の蜃気楼なので、
お近くにお出かけの際は、一度立ち寄って見に行かれるのもおすすめします。』

「真夏の蜃気楼か…」
あたしは前にもあった、真夏の蜃気楼のことを思い出していた。
すっごく、綺麗だったけど、またこうして見れるようになるとは思わなかった。
今日見にいこうかな…

「アズサ、ご飯できてるわよー。
今日は手作りハンバーグ。お母さん、朝から頑張っちゃったんだから。
夕飯にも食べれるようにたくさん作っておいたから、多くほしかったら朝は少なめに取るのよ」
「はーい」
…やった、今日は手作りハンバーグ！
あたしは隠れてガッツポーズをした。
夏休み恒例、お母さんの丁寧料理。
いつもはお母さんもお父さんも働いているから、時間のないお母さんは時短料理で済ませることが多いけど、夏休みは違う。
夏休みはお母さんの仕事も休みになるのだ。
そうして、暇を持て余したお母さんの料理は、いつもよりも丁寧になるのだった。

そして、今年の夏休みに限って、その「丁寧料理」の数は多い。
…でも、お母さんも大変じゃないかな。
丁寧な料理を夏休みの間にたくさん作るなんて…
―否、違う。
夏休み自体が長すぎるんだ。(・・・・・・・・・・・・)
お母さんは気付いていないみたいだけど…
だから、朝ごはん中に聞いてみることにした。
「お母さん、なんか夏休み長すぎない？」
「…そう？気のせいじゃない？」
これは気のせいであろうか。いや、それは違う。
自分以外の友達もだれも話題にしていなかったけど…

でも真夏の蜃気楼が気になってしょうがないので、抱いた違和感は心の奥にしまって、
「ちょっと散歩がてら、さくら中央シティに行ってくるね。昼前までには帰るから」
と、お母さんに出かける旨を伝え、あたしはさくら中央シティへと向かったのだった。