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ゆり「あのいつもの常連さん、ほんとかっこいいよねぇ。」
19時の閉店後、静かになった店内をゆりと2人で掃除する。
モップをかけながら、ゆりはほんわりとした顔で今日もやってきたあの”彼”を思い出していた。
「そうだねー。」
ゆり「あれ?何その反応・・A、気になってるんじゃないの?」
「え!?」
ゆりの言葉に私は思わずモップをかけていた手を止め、ぐりんと首を彼女の方へ回した。
ゆり「え!?って・・誰がどう見たって、あれは気にしてる感じじゃん。ねぇ!店長!」
呆れたようにそう言うと、店の奥にいる店長へ話を振った。
レジの後ろから厨房に入れるようになっていて、そこでは店長を始めとする
パティシエさんたちがいつも美味しいお菓子を作ってくれている。
店長はレジ奥からひょこっと顔を出した。
店長「そうだなぁ。いつもあの彼が来ると、Aは暇さえあれば見つめてるからなぁ。」
男性らしくすらっと背が高く、ほっそりとしながらも逞しい腕を持つ店長。
そう言ってからかうようにクスクスと笑った。
「店長までやめてくださいよ!確かに不思議な人だなとは思ってるけど・・・
別にそういう対象で見てないよ・・・」
ゆり「なぁーんだ、てっきり気になってるんだと思ってたのに!」
閉店作業を終わらせ服を着替えると、私たちは先にお店を出た。
店長たちは明日の仕込みがあるらしく、厨房で材料を混ぜたり作ったりしている。
ゆり「今日ダーリン来てるの!お先!」
「ん、お疲れ様ー。」
外に出てすぐ、ゆりは嬉しそうにそう言ってお店前に停まっている車に乗り込んでいった。
ぶううんと行ってしまった車の後ろを見つめながら、私も帰路に着こうとくるりと向きを変えた。
?「今帰りか?」
歩き出そうとした刹那、突然誰かに話しかけられた。
その声はなぜか聞き覚えがあった。
驚きながらも声のしたほうへ振り返ると、そこにはスーツを着崩しポッケに手をいれている
あの”彼”がいた。
今日は月明かりが出ていて、あのセクシーなオーラをより一層濃くし
わずかに笑みを浮かべているのも伺えた。
「あ、あのいつもホットの豆乳ラテの・・・」
土方「あぁ、名前は言ってなかったか。土方だ。土方歳三。
突然驚かせてすまねぇな、”長城”サン。」
ニヤリと笑った彼・・いや、土方さんに私はびっくりして立ちすくむ。
土方「なんで名前をって思ったか?いつも名札、してるだろ。」
彼はそう言って私に一歩一歩近づいてきた。
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土方優菜 - 土方さんガチ勢なので、1人赤面しながら悶えてました。裏も拝見しましたが、最高でした。 (11月5日 11時) (レス) id: 0bd3d38196 (このIDを非表示/違反報告)
奈智(プロフ) - もーさんさん» お読みいただきありがとうございます!わかりにくい表示で申し訳ありません。URLをお送りしますので、そちらからお願いします! (2019年7月16日 10時) (レス) id: 6159359968 (このIDを非表示/違反報告)
もーさん(プロフ) - 土方さんが推しなのですごく面白かったです!!裏を読みたいのですが表示されません、、汗 (2019年7月16日 4時) (レス) id: dc934c0dc5 (このIDを非表示/違反報告)
奈智(プロフ) - 桃香さん» お読みいただきありがとうございます!わかりにくい表示で申し訳ありません。URLをお送りしますので、そちらからお願いします! (2018年10月31日 9時) (レス) id: 21d901375a (このIDを非表示/違反報告)
桃香(プロフ) - とても面白かったです!!!裏を読みたいのですが表示されてなくて、、 (2018年10月31日 7時) (レス) id: e7856f2162 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈智 | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/home
作成日時:2015年11月24日 19時