化学反応。ー正反対の２人ー (ページ10)

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それからと言うもの

最低なヤツ…いや
基、テヒョンは
毎日保健室に押し掛けてくるようになった。

『ねえ、先生名前なんて言うの？』

「アンタには絶対教えません」

『だから、テヒョンだってば』

「呼びたくありません」

『ふーん。相変わらずつれないね』

「良いから教室戻りなさい」

『はーい』

…此方としては

本当、迷惑。

彼女が居るのに、何で私なんか口説くのかね。

その神経が信じられない。

ーガラガラー

テヒョンが教室に戻って行ったあとすぐに

ドアが開いて

『…よっ』

この高校の化学教師であり、私の幼馴染みである
ミン・ユンギが入ってきた。

「コーヒー飲む？」

『ブラックな』

「はいはい」

彼の前に出来上がったコーヒーを置いて、お互いに向かい合うようにして座る。

『どう？もう慣れた？』

「まあ…色々ツッコミたい事は山ほどあるけど、何とか上手くやってる。保健委員の２人良い子だし」

『確かにアイツらは、手も掛からないし…良い生徒だわ』

「恋人同士だって知ってた？」

『ああ。何でも、中学の頃からの付き合いらしいぞ』

「へえ、そうなんだ。この学校、同性同士のカップルって珍しくない方なの？」

『まあ、そうだな。女同士のカップルだって沢山居るからな、此処は』

「ふーん」

ユンギから、この学校の内部事情を聞いたところで
今度は彼が、私に質問をしてきた。

『お前の方は、恋愛、どうなの？もしかして、未だに白馬の王子様待ってんの？』

「…悪い？」

『本当、そろそろ現実見た方が良いぞ』

この歳になって、現実を見ろ…なんて
そんな事は私自身が１番良く分かってる。

だからこそ、他人から指摘されると腹が立つ

「良いじゃない…夢くらい見させてよ」

『…A』

「……コーヒー飲み終わったら、戻って」

『……悪い』

…だけど
ユンギが私のためを思って言ってくれてるの、ちゃんと分かってるから。

…私こそ、ごめんね。