化学反応。ー正反対の２人ー (ページ11)

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『じゃあ、俺戻るわ』

空になったマグカップをテーブルに置き、ユンギが立ち上がる。

「…うん」

『コーヒー、美味かった』

「それは良かったです」

『…あ、そういえば

さっき、キム・テヒョン…此処に居たよな？』

「テヒョン……あー、あの」

“最低なヤツ”って言いかけて、止めた。

『口説かれてんの？』

「…まさか。相手にしないわよ」

『ふぅん。ま、とにかく…アイツにだけは、要注意しておけよ？

なんせ“女泣かせ”だからな』

言っている意味が分からず首を傾げていると

ユンギは付け足すように詳しく説明してくれる。

『告白してくる女は来る者拒まずに全て受け入れてるから、此処には彼女が何人も居る。

いや、もしかしたら他の学校にも居るかもしれないな。

しかもさ…好きなんて感情は更々無くて
只単に自分の欲の捌け口にしてるって噂』

「なに、それ…」

女の子の気持ちを弄ぶなんて

「本当、最低なヤツ」

『１番タチが悪いのは…その女達が、テヒョンがそういう男だと知ってて付き合ってるって事。

体だけの関係でも良いから…なんて。
頼むから、もっと自分を大事にしろって話だよな』

「…私もそう思う」

『まあ、お前は…大丈夫だと思うけど

…一応、忠告しとく』

「ありがとう。おかげでヤツがどんなに最低か分かったわ」

『じゃあ、今度こそ戻るわ』

私の頭にポンと手を置いて
髪の毛を撫でたあと

ユンギは保健室から出ていった。

キム・テヒョン

絶対、相手になんてするものですか。