18歳、カタオモイ。 (ページ2)

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_____あ。

こんな人混みの雑踏の中でも、秒速でその姿を見つけてしまう私は、相当彼のことが好きらしい。

朝から会えてラッキー、とか。
素直に喜ぶようなキャラじゃないから、顔には出さない。

「あ、ジョンデくんおはよ！」

出来ることと言えば。今たまたまあなたを見つけて挨拶しましたよ、っていう素ぶりくらいだ。

「おはよーAちゃん。あ、今日髪いつもと違う？」
「弟の入学式だからね、気合い入れてみた」
「ははっ、なんで！主役は弟くんでしょ？」
「……やっぱいつも通りでよかったかな？」

「んー、でも可愛いからいいじゃん」

恥ずかしげもなく、笑顔を絶やさず、さらりと言って退ける。

そこらへんの男が言えば胡散臭い様な言葉も
ジョンデくんが言えば強大な破壊力を持つから。やめて欲しい。嘘、辞めなくていい。

……好き。最高に好き。

笑うとくしゃってなる顔も
ふわふわの少しパーマがかった茶髪も
左耳だけ付けてるピアスも(チャラいけど)
いつもワイシャツの上に
ブレザーじゃなくてカーディガンを着てるところも
しかもこれまた萌え袖ってところも

もう、とにかく、好きになったら最後。
ジョンデくんの何もかもが魅力的なのだ。

「……あれ、」

そう言えば、と口をついて出た一言に
ジョンデくんが「ん？」と首を傾げる。
今更ながら疑問に思った。

「今日、……彼女さんは？」

春休みを挟んだからすっかり忘れていた。

確か先月まで、ジョンデくんは彼女さんと一緒に登校してきていたはずだ。
学年でも一目置かれている、隣のクラスの
黒髪で色白で華奢な、絵に描いたような美人さんと。

だけど今日、ジョンデくんの隣は空いている。