ほんの一瞬の夢を見る (ページ7)

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Aside

身請け当日、猫猫は彼にわたしの幸せを誓わせてくれた
それだけで胸がいっぱいだった

高順「本物はここにいたんですね」
彼がやり手婆と最後の手続きをしている間、
わたしについてくれていた男性…高順さまがそうつぶやいた

「え、どういう…」
高順「詳しくは壬氏さまにお尋ねください」

身請けされた夜、わたしは彼に包まれながら、高順さまが言っていたことを尋ねた

壬氏「高順のやつ…。俺はずっとAを探していたんだ。ただ、そんななか薬屋(あいつ)と出会って…
どこかAと雰囲気の似ている薬屋(あいつ)をAの代わりにしようとした」

それは思ってもいなかった告白だった

「だからってあんな場面を見たわたしは、ショックだったんですよ？全然わたしの舞も見ようとしなかったですし」

ずっと胸につっかえていたことをわたしは伝える

壬氏「あれは…その…悪かった…。大切なAと会えない上に代わりにしようとした薬屋まで失ったから自暴自棄になってた。そんななか薬屋と再会できたからつい…」

「お顔が真っ赤ですよ？」

そしてそう話す彼は顔を真っ赤にし、わたしの胸に顔を埋めた

壬氏「情けないな、俺は」

落ち込む彼を愛おしく思った

「これからはわたしだけを見てくださいね」

壬氏「当たり前だ」

わたしの心は満たされていた