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ページ41

壬氏side

ここまでするつもりはなかった
特に薬屋と知り合いという手前、ここまでしてはいけなかった

A「壬氏さまは、私をどうなさるおつもりですか」

俺の腕の中で、彼女はそう問う
おそらく、薬屋から俺が宦官だと聞いていたのだろう

「身請けしたら、俺を恨むか?」

A「ふふ、不穏要素は手元に置いておいた方が安全ですものね。でも、壬氏さまがどのような立場か分かりかねますが、私は身寄りのない妓女ですよ。そんな女を身請けだなんて」

彼女はまだ過去を引きずり、先帝を想っているのだろう

「俺では駄目か?」

抱きしめる力を少し強める

A「本気で仰っています?」

彼女は俺の胸に隠れていた顔を俺の方に向ける

「本気じゃなきゃここまでしなかった」

A「私が壬氏さまを誰かに重ねていたとしても、ですか」

「それでも俺は構わない」

もう、その相手はこの世にいないのだから
これから気持ちが俺に向けばいい

A「莫迦なんじゃないですか」

「好きな者を手元に置けるのであればなんでもいい」


…翌日、俺は妓楼の店主にAの身請けを申し出た
先帝のことを考えると反対されるかと思ったが
店主は金子を弾んで貰えるのであればとあっさりと承諾した


------------

A「それは…雰囲気がどこか似るわけですね」

身請けが決まった日、俺は彼女に本当の身分を明かした

「まさか俺だって同じ人に惹かれるとは思わなかった」

A「因縁ですね」

「早くAにも俺のことを好きになってもらいたいものだが」

A「私、たぶんもうあの方ではなく貴方さまが好きですよ」

彼女はそう笑った
それは妓女の微笑みでも薬屋のことを話す笑みでもなく
新しい笑みだった

「本当か!?」

思わず彼女を抱き締める

A「こんなに早く思い出が上書きされてしまうなんて、少し悔しいですが。私は貴方さまが好きみたいです」

俺は彼女を抱き締める力を少し強めた

「Aの侍女には薬屋をつけよう」
A「猫猫にバレてもいいんですか?」
「薬屋ならいいだろう」
A「猫猫、嫌がりそうですね」

不思議な因縁
それでも俺は今、幸せだ

--------------

猫猫「(ぞわっ)」
おやじ「おや?猫猫、どうしたんだい?」
猫猫「なんかまた面倒事に巻き込まれる気がする」

莫迦だなあ→←・



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シホ(プロフ) - 求めていた壬氏様に出会えました!とても好みの内容で幸せです! (1月4日 14時) (レス) @page45 id: 2de7cdac1e (このIDを非表示/違反報告)
xxximmmmmxxx(プロフ) - ♡ (12月4日 7時) (レス) id: 0c1ea22a5d (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2023年12月3日 12時

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