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複雑な親心 ページ33

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「早く孫を抱かせてくださいよ」
壬氏「そういうお前は…」
「私には子が4人、孫が3人おりますし」
…言い終わった後に後悔した

壬氏「…ん?お前の子どもは3人ではなかったのか?」
「…ちょっと書類を取ってまいります」
壬氏「待て」

彼は少々粘着質な性格だ
今、この状況を切り抜けたとしても、その場限りとなるだろう

「4人です。宮廷や後宮で働いているわけではございませんので、話しておりませんでした」
お願いだからこれ以上は聞かないで欲しいと心で願う、が

壬氏「そうだったのか。男か?女か?」
「女でございます…」

質問は続く

壬氏「明日から薬屋が玉葉妃の元に行くからな、どうだ、その末娘をここで働かせないか」

顔から血の気が引くのがわかる

「あ、いや、末娘は未婚ですし….貴方様に好意を持ってしまった場合、面倒なことになるかと」
壬氏「馬の一族の者がそんなヘマはしないだろう」

確かに末娘はそんなヘマはしないだろう
彼女は主の同い年でありながら、恐ろしいほど冷静だ
一時の感情で動く性格では無い
それに頭も切れる
この麗しき主の下で働くにおいて適材ではあるだろう
…が、正直、働かせたくない
父である自らがこんなに褒めるのもどうかと思うが、末娘は自分にも妻にも似つかぬ美貌の持ち主だ…
3人の子を宮廷で働かせてきたにも関わらず、末娘は家で手伝いをさせている理由はそこである

万一そこらの変な武官や文官に言い寄られたらと気が気ではない

壬氏「何か他に問題でもあるのか?」

…ただ、この主のお気に入りは小猫だ…
ここにいる限りは私もいるし、安全かもしれない…
私の不在時には馬閃でもつければいい

小猫が不在になることにより、水蓮さまの負担が増えるのも事実だろう

「いえ。明日、末娘を連れてまいります」

私は承諾した

この時、この決断が失敗になるとは思ってもいなかった

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シホ(プロフ) - 求めていた壬氏様に出会えました!とても好みの内容で幸せです! (1月4日 14時) (レス) @page45 id: 2de7cdac1e (このIDを非表示/違反報告)
xxximmmmmxxx(プロフ) - ♡ (12月4日 7時) (レス) id: 0c1ea22a5d (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2023年12月3日 12時

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