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Aside
文官W「良かったらわたしの部屋で教えようか」
その言葉に思わず身体が固まる
おかしい、もう克服したはずなのに
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客「Aさあ、そろそろ俺のモノにならない?」
「お戯れを」
客「俺がAにどれだけ金を使ったか知ってるだろ」
あの日だって、初めはいつも通り笑顔で躱してた
それでもあろう事にその客はわたしの衣服に手をかけた
「っ、契約違反です」
わたしはめいいっぱい鈴を鳴らす
本来ならここで店の者が助けに来てくれる
…はずなのに、来ない
「いやっ」
客「金子を詰んだかいがあったということか」
客は不気味に笑った
客「さあ、A、たくさん愛し合おうか」
男の手がわたしの素肌に触れる
「っ、おやめ下さいっ」
客「やっぱりいいものを持ってるよねえ。下はどうなのかな」
客は舌をなめずりまわしている
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い…
「離してっ」
衣服も乱れたまま、客を思いっきり蹴り、部屋の外へ出る
ああ、もう店には居られなくなるかもしれない
でも元々あの店はわたしを守ってさえくれなかった
もうこうなれば逃げるしかない
店にいてもわたしは幸せになれない
そう思いながらわたしは必死に逃げた
そこで会ったのが羅漢さまだった…-
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あの日から羅の一族以外の男性があの客に見えた
それでも羅漢さまのお役に立つため、
少しずつ男性恐怖症を治すよう奮闘した
この見た目や妓女で磨いてきた術は政でも使えるから
もう大丈夫だと思っていた、思っていたのに
文官W「ほら、まずは名前から教えて貰えるかな」
その文官は私の手を引く
「やっ」
思わず手を振り払おうとするが、力で負ける
文官W「そんな見た目で、色目を使ってきたってことはこういうことでしょ」
その文官はあのときの客と同じように気味悪く笑う
壬氏「何をされているんですか」
わたしの前に壬氏さまが立った
壬氏「勤務時間内ですよね」
私より綺麗な笑みを浮かべる
文官W「え、あ、失礼しました」
その文官はそそくさとその場を去っていった
壬氏「…まったく。高順、あの者の名を調べといてくれ」
高順「はっ」
壬氏「大丈夫か」
壬氏さまの言葉にハッとする
「っ、申し訳ありません。あとこの1枚だったのですが」
仕事を最後まで終わらせることが出来なかった
壬氏「いや、ここまでやってくれたのなら完璧だ」
壬氏さまの笑顔は綺麗な笑みでも薄気味悪い笑みでもなかった
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シホ(プロフ) - 求めていた壬氏様に出会えました!とても好みの内容で幸せです! (1月4日 14時) (レス) @page45 id: 2de7cdac1e (このIDを非表示/違反報告)
xxximmmmmxxx(プロフ) - ♡ (12月4日 7時) (レス) id: 0c1ea22a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2023年12月3日 12時