検索窓
今日:73 hit、昨日:361 hit、合計:119,609 hit

ページ17

高順side

「恐れながら壬氏さま、これ以上A妃の元へ通いになるのは良くないかと」

あの下女がA妃だとわかって以降、主は時間を見つけては幾度となくA妃の元へ足を運んでいる

主が特定の妃に肩入れするのは問題である

実際、A妃が中級妃へと上がるのではないかだとか、
A妃が阿多妃の後に入るのではないのかだとか、
壬氏さまが下級妃に誑かされているだとか、
皇帝が醜い下級妃を望んでいるだとか、
根も葉もない噂が後宮内に触れ回っている

…今のところ何処にも実害はないが
これではいつ何が起こるか分からない

それでも主は仕事を早く終わらせてはA妃の元へ向かう

A「まあ、壬氏さま、またいらしたのですか」
猫猫「今日こそは私がA妃とお話したいのでお引き取り願いたいのですが」

そしてそこには高確率で小猫がいることが多く、主は更に機嫌が良くなる

なんせお気に入りの玩具がそこに揃っているのだから

A妃は他の下級妃のように主に顔を赤らめることもなければ
小猫のように虫を見るような目で見ることもない
ただ、あまり微笑むことも無く事務的に淡々と主の質問に答えるのみだ

A妃の侍女も嬌声をあげるどころか、顔を赤らめることもなく、ただ淡々と仕事をこなしていた

主にとっては心地の良い空間なのだろう

…しかしそんなある日、事件は起ってしまった
A妃の食事に毒が盛られたのだ

壬氏「っ、A妃の元へ向かう」

その報告を聞いた主は焦ったように部屋を出る
私も慌てて追う

猫猫「A妃さま、こちらをお飲みください」

A妃の部屋に入ればそこには既に老師と小猫がいた

顔色をしっかりと見るため、A妃のいつもの化粧は落とされていた

壬氏「A妃の容態は」

猫猫「毒を口にした際のA妃さまの対応と、侍女の皆さんの処置も良く、毒は体内から全て出しております。あとは回復を待つのみです」

小猫がそう言うと、主は苦しそうな表情でそっとA妃の顔に手を伸ばした

…主が自覚をしているか分からないが、主にとってA妃は替えのきかない玩具であるとそこで私は悟った

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
485人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シホ(プロフ) - 求めていた壬氏様に出会えました!とても好みの内容で幸せです! (1月4日 14時) (レス) @page45 id: 2de7cdac1e (このIDを非表示/違反報告)
xxximmmmmxxx(プロフ) - ♡ (12月4日 7時) (レス) id: 0c1ea22a5d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2023年12月3日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。