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ページ15

猫猫side

珍しく暇人宦官ではなく、高順さまにお願いをされた
…いや、元を辿ればあの暇人宦官の依頼なんだろうが
あの水死体を検死した下女…いや下級妃を確認したいとのことだった

なるほど、下級妃だったのかと納得もした
あんなに綺麗な下女がいればいくら私でも気がつくはずだ

しかし…あんなに綺麗で立派なものを持つ下級妃がいれば皇帝のお手つきにならないはずがない
下級妃に留まっているはずがない

…それに、暇人宦官に見せてもらったあの報告書は本物だった
生半可な知識で作れるものではない

1度話してみたいと思っていた


「突然の訪問失礼いたします。A妃さまにお伺いしたい事があり…」

A「そろそろいらっしゃる頃かと思っておりました。どうぞ」

中からは間違いなく、あの時の女性の声がした

…が

「こりゃあ見つからないわけだ」

中にいたのはこの前見た女性とは似ても似つかない女性だった
彼女は私と同じこと…いや、私を上回る化粧をしていた

A「それで?私に聞きたいこととは?」

それでもその醜さを打ち消してしまうほどの気品がある
彼女が本気を出せば国をも傾ける…いや滅ぼすかもしれない

「A妃さまは、先日の水死体を検死した方でお間違いないでしょうか」

ここで違うと言われたらどうしようか
少なくとも私なら否定するだろう

A「ええ。私よ。信じ難いかもしれないけれど」

そう彼女は優雅に答えた

高順「今一度、壬氏さまに会ってはいただけないでしょうか」

その言葉を聞いてそう高順さまが問うと、
A妃さまについている侍女たちが複雑そうな顔をした

壬氏さまに妃が呼びたてられるということは
主上に呼び立てられる可能性も大いにあるということ
そうでなくても、あの美しい宦官に自分の主が呼びたてられるということは、一般的には喜ばしいことであると、この数ヶ月で学んだ

ではこの侍女たちは里樹妃さまの侍女のように自分の主を快く思っていないのかと疑いたくもなるが…観察している限り、そうでもなさそうだ

そうなると残るは自分の主がそれを望んでいないことを知っているから…ということだろうか

珍しくはあるが、自分自身もあの暇人宦官や主上に興味はないため、理解出来ないこともない

A「この姿でもいいのかしら」

そんな侍女たちの不安を拭うように彼女はそう微笑んだ

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シホ(プロフ) - 求めていた壬氏様に出会えました!とても好みの内容で幸せです! (1月4日 14時) (レス) @page45 id: 2de7cdac1e (このIDを非表示/違反報告)
xxximmmmmxxx(プロフ) - ♡ (12月4日 7時) (レス) id: 0c1ea22a5d (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2023年12月3日 12時

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