for you , be with you ▼2▼《ars/s.s/0125》 (ページ2)

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EP.5 ――2 ページ2

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「っ、っ！」

悲鳴が、聞こえる。声は服に阻まれてくぐもっているが、俺の耳には確かに聞こえた。

慟哭、そうとすら呼べそうな彼女の声。

「っ、Aちゃん掴まれ」

爆発音が響く、俺は彼女の身体を抱えて左へ回避。ごろごろと燃え盛る廊下を転がった後、痛む身体に鞭を打って彼女の身体を抱えあげた。

「櫻井くんと二宮くんはなにしてたんだよ」

気を失っている彼女を見て文句が零れ落ちる。その間にも駆け出して、火の海に飲まれつつある現場を飛び出した。

そこからの記憶はほとんどない。何をどうしてどうなったのか、詳細に語ることはできない。ただ気が付いた時には俺は病院のベッドに転がされていて、火傷に治療が施されていた。

だから現場の被害はあとから伝え聞いた話だった。刑事課の二宮くんが「見舞いには聞かせたくない話ですけど」と珍しく気遣うように、けれど機嫌悪そうに呟いてから教えてくれたのは、警護対象とそのSPをしていた警察官一人が亡くなったという事実だった。

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