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橋本「 ねえ、いじゅ 」
赤信号でちょうど車が止まる。助手席から外の景色を見ていたいじゅ──Aが、こっちを見る。
橋本「 俺、Aのこと好きだよ 」
「 ……えっ、！？ 」
橋本「 同じメンバーとか、友達とか、そういうのじゃなくて。
1人の人間として、女性として好きだよ。 」
驚いて俺を見つめながら真ん丸な目をさらに大きくして、口はパクパクさせている。魚か！
けど、そんなところまでも愛しいな、可愛いなと思ってしまう俺は相当重症だと思うけどね。
その後のことはよく覚えていない、気づいたらAの家に着いていて、Aは特に俺からの好きについて言及なんてせず俺に「ありがとうね」とお礼を言って車を降りようとしていた。
橋本「 あ、待って 」
車を降りようとするAの腕を掴んで、そのままキスをした。唇を離すと、Aは目をまん丸にさせてこっちを見ている。
デジャブ、というかさっきの光景の再放送。
橋本「 ……ずるくてごめんね 」
冷えてるからあったかくして寝てね、おやすみ。と何事もないように振る舞う俺に、Aも「お、おやすみ」とかなり動揺しながらそう言った。
キスしてそのまま返すなんて、好きの言い逃げ同様、キスのやり逃げみたいじゃないか。
エントランスから見えなくなったことを確認して、再び車を発進させる。
"涼は私が見えなくなるまで車出さないで待っててくれる。そこがカッコイイ。"といつかAが言ってくれていたことを思い出す。
〈俺のこと、これから意識してね〉なんてメッセージを送る時点で、ちょっとダサいんだろうけどさ？
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作者名：366 | 作成日時：2022年8月27日 0時
