逃げるは恥だが役に立つ ページ30
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完全プライベートでボーリングに来た。学生時代のときみたいにはしゃぎ回ってて、何だか懐かしい気分にもなった。
猪狩「 この後どーする？ 」
井上「 あー、ごめん、俺撮影ある 」
高橋「 俺もー 」
作間「 俺もちょっと用事ある 」
猪狩「 じゃあこのまま解散？ 」
橋本「 だね 」
おつかれーと言って散らばっていく人の中、俺といじゅだけが残っていた。
橋本「 帰んないの？ 」
「 涼がいいんならでいいんだけど、…一緒に海行きたい 」
橋本「 海？珍しいね。俺は全然いいけど 」
ほんと！ありがとう！
とぴょこぴょこ飛び跳ねて喜んでる。可愛いなー。
慣れた手つきで助手席に乗り込むと、お願いしまーすと気の抜けた挨拶をされた。海に着くまでも、着いてからも特に深い話をするわけでもなかった。
まあ、恋愛の話になって「好きって行った後にやっぱ忘れてっていう男の人の心理って何？」とは聞かれたけど、いじゅもヘラヘラしてたし適当な話題のひとつに過ぎなかった。
橋本「 俺もそんなこと言っちゃうやつの気が知れないかも。
好きの言い逃げみたいでいい気分しないよね 」
そうだよねえ、といじゅも何となく返事をしてくれた。
それからはいじゅの撮影の小話とか、最近食べた美味しいものの話をし合っていると海に着いた。
なんで海に行きたいなんて言い出したんだろう、それも秋に。夏は絶対来てくれなかったのに。
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作者名：366 | 作成日時：2022年8月27日 0時
