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橋本「 いじゅ、どうかした？ 」
さっきから携帯を熱心に見てはしかめっ面をしているA。俺がそう声をかけると、無言で差し出された携帯の画面。
そこには作ちゃんとAの交際を匂わせるような画像や憶測での文章がたくさん並んでいた。
こんなものどこで見つけてくるの？というか、よくこんな昔の画像を切り貼りして騒げるな。お揃いの指輪なんていつ？しかもこれがお揃いではないことを知っているからこそモヤモヤする。
し、相手が作ちゃんなことにもモヤモヤする。こういうときの相手が大体俺じゃないことにモヤモヤしていること、多分Aは知らない。
橋本「 こんなの全部嘘じゃん。いじゅが傷つくことなんてなんにもないよ 」
「 そうだけどさあ。久しぶりに燃えてるからモヤモヤすんの〜。それから普通に悔しい… 」
下唇を突き出しながら如何にも拗ねてますな顔をするAがあまりに可愛くて。
ふっと笑みを零せばなんで笑うの！と真剣に怒ってくるのさえ逆効果で、可愛くて。
橋本「 それじゃあさ 」
橋本「 俺と本当に付き合って、作ちゃんとの関係は全部嘘だよ涼くんが本命だよって流しちゃえばいいじゃん 」
なんて言えば、A は一瞬驚いた顔をして、すぐに切ない表情を浮かべた。
「 メンバー内での恋愛はなしがいいよ 」
と呟いた。
眉毛を下げて、困ったような、切ないような、悲しい顔をしたA。
夏のAと優斗の関係に合点がついた瞬間だった。
きっと優斗はAに想いを打ち明けたんだと思う、だからこその今の"メンバー内での恋愛はなしがいい"発言だし。だからこそ作ちゃんとのことで燃えているのも嫌なんだろうし。
橋本「 嘘嘘、冗談だよ？真剣に悩んでるのにごめんね、笑わせようと思ったけど今は違ったね 」
「 ううん、私も真に受けすぎちゃった。ごめんね。
…早く鎮火しないかなあ〜 」
その週の伝記でAが遠回しに、あの指輪はAの物で勝手に作ちゃんが着けてその姿のままISLANDTVに出演してしまったという真実を伝え、今回のプチ炎上も大事になる前に鎮火した。
ていうか、後から気づいたけど、これって俺。
もしかしなくても、静かに失恋してる？よね？
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作者名：366 | 作成日時：2022年8月27日 0時
