３６話：生存 その３ ページ38
夏羽「殺すのはやむを得ないけど、消すのはやりすぎだと思う。殺すのとなかったことにするのは違う。
…でも、助けたいとは思わないしかわいそうというのもわからないから別に止めない」
『私たちも、どのみち飯生…さんに始末してもらうつもりだったし。
それに、どのみちもう殺し終わってるでしょ』
飯生と呼び捨てにしようとして、慌てて敬称をつける。
呼び捨てにしたら紺ちゃんみたいに怒りそうだし。
野火丸「あはは、二人とも協力的で助かります。」
夏羽「じゃあ、工場の人たちは？」
野火丸「死んでなければどうにでもなりますよ。先ほどの処置をすれば人間社会への復帰も可能でしょう。
人間の数が減るのは狐にとっても喜ばしくないことですから。」
夏羽「それなら良かった」
野火丸「それよりも、早く帰ったほうがいいですよ。そこのツンツン頭の彼…怪我もですけど軽い脱水症状を起こしています。」
そういえばそうだった…すっかり忘れていた
『ありがとう、そうする』
野火丸「あと夏羽くん、少々内緒話を…」
と、野火丸が夏羽くんを呼び寄せた。聞かれたくないようだったが…きになるな。
晶や織を介抱するふりをして、二人の話に聞き耳をたてる。
野火丸「飯生様は命結石を諦めていません。」
その言葉に体が強張る。
「なんですぐ僕がここに来られたと思います？嗅ぎ回ってるんです、君のこと。狸の怒りを買うと面倒ですから…今後強奪されることはないでしょうけど、”君が自分の意思で石を渡す”なら狸も口を挟めない。飯生様はそれを狙っています。」
なんてことを話すんだ…、というか、そういうのって内部情報じゃない？
その後、野火丸は夏羽くんとまた何か話していたが、やけに声が小さく聴こえなかった。
そして野火丸くんは去ろうとしていったのだが…
「あ、そうだAさん、ちょっとお尋ねしたいことが…
初めて飯生様が夏羽くんから命結石を盗ろうとした時、見てませんでした？」
ん？なんで知ってるんだ？多分この狐が来たのは最近、なんで…
『なんで知ってんの？』
野火丸「認めたという解釈でよろしいでしょうか」
『そういう認識でいいよ。それでなぜ？』
野火丸「飯生様があの一件の後に例の目玉を見つけてですね…あの女狐は鈍臭…いや、飯生様は気がつかなかったようですが、気配が似ていたのでもしかしたらと」
急に毒舌になった野火丸くん…もしかして
『野火丸くんって飯生…さんのこと嫌いなの』
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もふたろ(プロフ) - マシュマロさん» コメント、ありがとうございます！私は野火丸くん推しです！ (2021年3月30日 14時) (
レス) id: de19fc35e2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ - とてもおもしろく読ませてもらってます！主さんの推しの怪物は誰ですか？教えてください。 (2021年3月29日 21時) (レス) id: ee3718be7d (このIDを非表示/違反報告)
もふたろ(プロフ) - すみません。初めて書いたので知りませんでした。ご指摘ありがとうございます。フラグは外したと思いますが、大丈夫でしょうか。今後は気をつけます。以後も気づいたことなどがあったら教えてください。お願いします。 (2021年3月25日 19時) (レス) id: de19fc35e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふたろ | 作成日時：2021年3月25日 16時
