～桜夜月の今夜～ (ページ13)

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貴方は一人じゃないページ13

Aside

貴「ごめんなさいね、貴方の過去の話聞いてしまって。」

焦凍「いいよ、狐さんに聞かせてたんだから貴方が狐さんで僕を助けてくれた人ならなおさら。で
も、どうして助けてくれたの？別に病院に連れ行くとか方法はあったでしょ？」

貴「ええ、でも、私、医者の免許持ってて、自分で言うのもあれだけど結構凄いのよ。ただ、貴方の
火傷は、これ以上跡を残さないようにするのは無理なの。ごめんなさい。」

焦凍「いいよ、別に。これでも最初より減ってるし。」

貴「そう、ねぇ貴方の名前何て言うの？私は大竹A。フルネームで教えてくれない？」

焦凍「轟焦凍。5歳だよ。Aさんって呼んだ方がいい？」

貴「歳まで教えてくれてありがとう。さんはつけなくていいよ。焦凍って呼ぶね。」

焦凍「わかったよ。A。」

貴「ねぇ、焦凍。これから電話するんだけどね、貴方のお父さんって誰？？」

焦凍「エンデウァー、No.2ヒーローのエンデウァーだよ。」

貴「そっか。焦凍、お父さんのこと、自分のことを恨んでる？」

焦凍「だって❗お父さんは❗僕は、お母さんを…………」

貴「焦凍、お母さんはなりたい自分になっていいって言ってたんでしょ？ならお父さんなんて気にしないで。まだそれが出来なくてもいいから、自分を責めすぎないで。今日会った人に言われるのもあれだけど、貴方は一人じゃないよ。その証拠に私がいるよ。辛かったら泣いていいんだよ。」

私は焦凍を抱きしめた。
焦凍は私にすがり付いて泣いた。
まだこんな小さな子にとっては、重すぎる物だ。