. ページ7
.
〜3日前〜
平野「A？」
「ん〜？」
平野「結婚しようか。」
「…え？」
ソファーでゆっくりとしている時
当然言われたその言葉に
食べていたアイスを
頬張ろうとしていた口がしまらずにいると
紫耀くんがふっと笑う。
平野「アイスおこっか。笑」
とテーブルを指さす紫耀くんに
うんうんと頷き、アイスをテーブルに置く。
「…」
平野「Aと
この先もずっと、一緒に同じ歩幅で
同じ景色を見て歩いて行きたいと思ってる。
辛かった過去も
これから先、辛いことがあったとしても
俺が隣にいて、笑顔にするから…
だから俺と結婚してください。」
私が"うん"と頷くには十分すぎた。
そして"うん"と頷く私を
優しく抱きしめてくれる紫耀くん。
平野「幸せになろうね。」
「うん。」
そう頷くと胸元にヒヤッと冷たい物があたる。
…え…何…？
「……覚えてたん…？」
そう言う私の胸元にはネックレスがかかっている。
付き合った当初に本当にサラッと言った事。
"婚約指輪は幸せをアピールしてるみたいで
あんまり好きじゃなくて…
ネックレスとかそーゆう
さりげないのにすごい憧れるなー。"
TVを見ながらだったから
半分聞いてないと思ってた…
紫耀くんが付けてくれたのは
ティファニーのTスマイルと言うネックレス。
ずっと欲しかった物。
だけど…
いつかこれをプレゼントしてくれる
男性がいたとしたら、その人と絶対結婚しようと言う
謎の考えがあって
自分では絶対に買わなかった物。
何で分かったんだろう…
平野「覚えてたよ。
あと…これでよかった？」
と私を覗き込む紫耀くん。
「うん…何で知ってるの？」
平野「ん〜？それは内緒。…また泣いてるの？笑」
そう言ってふっと笑う紫耀くん。
「ふふ…拭いて？笑」
平野「もー本当お嬢様笑」
そう言いながらも暖かい親指で涙を拭ってくれると
今度は優しく両手で顔を包まれる。
平野「おじいちゃんおばあちゃんになっても
こうやって笑い合って生きていこうね。」
「はい。」
そう微笑みあい
今までしたどんな物よりも
優しくて暖かい、愛の溢れたキスをした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yas | 作成日時：2023年3月1日 0時
