病み相談者【d!】 (ページ10)

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「…どうしたんですか？」

何故呼ばれたか、何故話したいか、何も聞かずに承諾してしまったから何を話せばいいのか分からない。

「…あんな、俺、同じ状況？の人と話したかってん」

「後な、昨日紗織って奴来たやろ？彼奴俺の友人やねん、良い人やった言うとったから」

意外な繋がり。
なんだろう、類は友を呼ぶ、ってか。

…話したい？
私なんかで良いのだろうか。

「んと…、分かりました、話したいこと、話して下さい」

「ん。人間関係に疲れたんや。男やと女みたいに群れ作ることはそうそう無いんやけどな、仲良しグループ、とか、怠いし、グループ作る、とか、話し合い、とか。面倒やし」

分かる。
共感して首をこくこく、と何度も縦に振る。

「分かります…、疲れますよね……」

「ふふ、やっぱ話しやすいわぁ、ほんまおおきに、あんさん、話したい事とかある？」

優しい。
聞きたい、というより、自分が聞いて貰ったから、という感じだろうか。
でもなぁ…、なんて躊躇っていると、勝手に口が動いていた。
やっぱり人に話したかったんだな。

「人間関係に似ているんですけどね…、此処に居るとなんで？、とかサボリだ、とか言われて。家でも、クラスメートにも。でも絶対会うし、理由なんて自分でも分からないし説明できない……。」

話し終わると、桃井先輩は何も言わずに立ち上がり、私の頭を撫でた。

「頑張ったで、Aさんは。凄いで、ほんま」

嗚呼、やっぱり優しい。
涙腺が緩みかけるが泣かないようにし、ありがとうございます…、と震える声で言い

「んじゃ、またな」

と出て行く桃井先輩を見送った。